メジャー4枚目のシングル
クリープハイプの【寝癖】は2014年5月に発売されました。
レコード会社へ移籍後初のシングルで、これからのクリープハイプを賭けたような楽曲。
祈るように発売した【寝癖】は、クリープハイプの代表曲と言っても過言ではないほど人気になりました。
初めて聴いた人にはこの世界観の驚きと中毒性を、ファンには約1年ぶりの喜びを。
「寝癖」ミュージックビデオ

MVは、何作もクリープハイプのMVを手がけている松居大悟監督によるドラマ仕立てになっています。
キャストは、高畑充希さんと郭智博さんです。
高畑さんの彼を見つめる視線が、切ない印象をより深めていると感じられます。
男女の30センチ未満の気持ちを描く歌詞
クリープハイプの曲には、生きるのが下手で、不器用な男性と女性がたくさん登場します。
再出発となったこの曲で、待たせてしまった信じ続ける相手に対し、どんな思いを伝えたかったのでしょう。
「寝癖」には、別れを決意した恋人同士の心情が描かれていて、気持ちの距離と心の距離がうまく交わらない、お互いに素直になりきれない関係性が、”髪”という表現を使って描かれています。
その歌詞の世界を独断と偏見で紐解いていきます!
また、この楽曲は1番と2番で目線が違うのです。
男性目線と女性目線の比較をしながら、じっくり解説していきます。
1番の歌詞は女性目線
君が嘘をつく次の日は決まって変な寝癖が
無造作なんて都合の良い言葉では誤魔化せない位凄いのが
あたしはいつでもそれに気付いてない振りをして
癖っ毛で情けない言う事聞かない自分の気持ちを誤魔化す
出典: 寝癖/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観
これが、1番のAメロ部分です。
君=男性、あたし=女性長年同棲をするカップルを想像させられます。
付き合いたての初々しさはそこにはなく、この付き合いが一日でも長く続いて欲しいから、嘘だと思っていても強がってしまう女性なのかもしれません。
タイトルの「寝癖」という言葉がはじめから登場しましたが、この意味には色々な思いが込められているのでしょう。
1〜2行目の歌詞からわかることは「寝癖=嘘」ということです。
そしてそれを「真っ直ぐではない髪」とあるように、見て見ぬフリをしているのです。
この「真っ直ぐではない髪」とは、自分の髪質を表しています。
「この髪質のように」素直になれないのだと意味しているのでしょう。
2番の歌詞は男性目線
気付いてない振りの君に気付いてない振りをして
素っ気ない態度で言ってしまいそうな本当の気持ちを誤魔化す
出典: 寝癖/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観
それに対し、2番のAメロはこうなります。
まだ別れたくない女性に対し、男性側は強がってしまう女性への気持ちが少し冷めているように感じます。
「僕が嘘をついていることを察しているけれど知らないフリしている君(彼女)」の様子に気が付いている僕。
しかし僕も知らないフリを続けているのです。
1行目の歌詞からは、男性は女性のことを面倒くさいと思っているように読み取れます。
しかし、言うほうが面倒くさいからとグッと堪えているような様子が2行目に。
だからこそ、僕は知らないフリを続けているのでしょう。
彼女の「言わない」という行為が僕にとっては「嫌なもの」だったのかもしれません。
この場面では、少しドライな男性の心境がよくわかります。