幸せを願うことさえ怖くて
泣き方もわからずに怯えていた
出典: ファーストラヴ/作詞:Uru 作曲:Uru
サビまでは心に傷を負った人に寄り添って歌いあげていることがうかがえます。
一転してサビでは人との出会いを通して、徐々に曲の中の主人公が心を開いていくのです。
幸せになりたい、愛されたいはずなのにそれを願うのはなぜかいけないことのように感じる…。
それは過去の傷がそうさせているのかもしれません。
誰かに甘えられず感情を押し殺していたため、どうやって泣いたらいいのかわからないのです。
ただ過去にとらわれて怯えることしかできませんでした。
自分を受け入れてくれる人
肩を抱く誰かの温もりに
顔を上げると そこにあなたがいた
その腕の中聴こえてきた音は
とても優しく温かい音でした
出典: ファーストラヴ/作詞:Uru 作曲:Uru
そんな傷ついた記憶をどうしていいのかわからず怯えているとき、そっと肩を抱いてくれた人がいました。
その人が大切な存在であると気づきます。
顔を上げるとそれまで無機質に見えていた世界は変わり、心を許せた人はとても優しい存在でした。
周りの愛に気づく
一つずつ心が解けていく
あなたと出逢い
初めて愛を
知りました
出典: ファーストラヴ/作詞:Uru 作曲:Uru
冒頭で歌われていた、絡まった糸のようにかたくなっていった傷ついた記憶は少しずつほどかれていきます。
愛したことも愛されたこともなく、本当の愛なんてわからない。
それほど深い傷を負った記憶にとらわれ続けていたのです。
そしてその記憶をそっと心の中にしまったまま平穏に過ごしていたつもりでした。
しかし大切な人との出会いを通して初めて愛というものを知ることができるのです。
今まで自分の周りにあった愛情に気づかず過去を1人で背負ってきた主人公。
ここで自分にとって大切な人を見つけることができます。
そしてその人の腕の中はとても温かく心地よいものでした。
タイトルにもなっている「ファーストラヴ」は初々しい「初恋」というわけではありません。
周りにいた人の愛情に初めて気づくという意味をもっていることがわかります。
過去と向き合って自分を顧みることで、優しさや温もりはすぐ近くにあることが感じられます。
これから出会うであろう新しい愛を求めるのではありません。
実はもう愛の中にいてそれに気づくかどうかということです。
消えない記憶に気づいてくれた人
悪夢のような記憶
拭っても 払えない
悪い夢みたいに
まだどこかにある陰に
きっとあなたは気づいていた
出典: ファーストラヴ/作詞:Uru 作曲:Uru
2番もまたサビまでは傷を負った心に寄り添うような、優しく切ない歌声からスタート。
しかし、大切な存在に出会ったことで少しずつ感情に変化が起こります。
自分の周りにあった愛情に初めて気づけたことで、徐々に前向きな気持ちになれるのです。
消したくても消せない傷ついた記憶はまるで悪夢のように離れることはありません。
ふとした瞬間に思い出してしまうこともあるでしょう。
誰にも言えずに1人で抱え込んでいる記憶に心を許した人はきっと気づいてくれていました。
全てを包み込むような温もり
いびつに微笑んだ私の
瞳の奥を見つめて
何も言わずに強く抱きしめた
全てを包み込むように
出典: ファーストラヴ/作詞:Uru 作曲:Uru
微笑んでいるつもりでもどこかぎこちない表情。それでも大切な人はまっすぐ見つめてくれました。
そして何かを見透かしたかのように、目の奥に隠したい過去があることを知ったのです。
しかし問いただしたり無理に聞きだしたりせず、ただ何も言わず強く抱きしめてくれます。
まるでありのままの自分を全て受け入れてくれるかのように。
傷ついた過去も散らかったままの記憶も、全部その人が包み込んでくれる大きな優しさに出会いました。
この人と一緒にいれば消えない過去も少しは癒えていくかもしれないと、安心できるような1節です。