さあ 目指す先へ光が差し
雲がちぎれ見えたならば
耐えきれないほどの数の
痛み胸に抱きよせて
出典: Viva la revolution/作詞:降谷建志 作曲:降谷建志
聖書を連想することもできそうです。
ただ、そこはリスナーそれぞれに楽しむべき余白かもしれません。
そのため一般的に解釈しましょう。
困難を乗り越え、希望が叶うようになったら、無数の悲しみを受け止める。
意訳してみました。
ざっくりいうと「勝ち逃げはしない」といったニュアンスです。
目標とする地点に辿り着いたら、いくらでも未到達の困難を引き受けるといった度量の大きさを示しています。
こうした包容力、人間愛があるからこそ成し遂げられた音楽革命だったのではないでしょうか。
3番の歌詞をチェック
悩み多き心に寄り添う
しがらみなく過ごした少年時代の
絶え間なく響く笑い声も
無責任に描いた夢も過去の話
今じゃもう
鳴りやまない頭痛のたねは増え
膨らみ出す時間の波におびえ
逃げ場探す暇さえなく
刻一刻と刻む流れにゆられ
出典: Viva la revolution/作詞:降谷建志 作曲:降谷建志
先ほどの悲しみや困難を引き受けるといった宣言がさっそく実践されます。
希望は叶いそうもないと尻込みをしている状態の心に寄り添うかたちです。
無邪気だった子どもの頃とは違って悩みだらけ、忙しい毎日のはず。
現実逃避したいと思ったところで、具体的な策を講じる時間さえない、そんな心情が描かれています。
そもそも愛されている
それでも僕をそっとつつみ込む
キミのぬくもりずっと
続くのに届くのに
僕は止まったきりで何もせずに
それじゃ始まらない
ねむりの中に救いはない
だから僕は自分の意志で歩く
不思議と今は戸惑うことなく
出典: Viva la revolution/作詞:降谷建志 作曲:降谷建志
主人公も、悩んでばかりで停滞していた時期があったのでしょう。
ただ、そのままではどうしようもないと気がつきました。
自分の希望を叶えたら他人の悩みを共有するという愛情深い人もいます。
そもそも大きな愛に包まれていると気づくことができれば前を向けるはず。
こうして主人公は悩みから解放され、自分らしく生きる道を見つけました。
水先案内人は鳥
時には冷たい風
強く吹きつけていても
外には悲しい雨
ふり続いているとしても
優しい鳥の声がほら
目ざめを誘っている
僕らは動き出して
また何か始めるでしょう
出典: Viva la revolution/作詞:降谷建志 作曲:降谷建志
悩みを知らない鳥が再登場しました。
確かに、空を舞う鳥にとって悪天候は悩みの種になり得るはずです。
しかし「誰が暴風雨などという攻撃を仕かけてくるのだろう」といった被害妄想は抱きません。
鳥の気持ちは鳥自身にしかわかりませんが、少なくともそう感じられます。
いつまでもネガティブな気持ちでいても仕方がないから、鳥を見習いたい。
Dragon Ash自身が鳥のような水先案内人となり、道を切り拓いているところが心強いですね。
まとめ
Dragon Ashの「Viva la revolution」は革命ソングということで身構えていた方もいるかもしれません。
ところが社会を騒がせたいといった不謹慎な野望とは真逆の内容でした。
むしろ身のまわりの悩みから解放され自分が変わること、日々を更新することこそが革命というメッセージです。
戦いといっても暴動ではなく、心の傷を共有しまくるといった大きな愛への挑戦を意味していました。
人間愛にあふれたラップ、ヒップホップだからこそ音楽革命を成し遂げた。
そんな革命ソングといえるでしょう。