B’zファンの間で名曲と名高い「光芒」

B'zには有名曲以外にも隠れた名曲がたくさんあります。

そのひとつに数えられるのがこの「光芒」という楽曲

このミドルテンポのロックバラードは曲としての完成度もとても高いです。

そして、それ以上にボーカルの稲葉さんの個性的な歌詞が光っています。

歌詞には一体どんな想いが込められているのでしょうか?

徹底解説する前に、ファンの間では伝説となっている「光芒」のライブバージョンを聴いてみてください。

歌詞も書いてあります。

稲葉さんが不調で喉をかなり痛めているのがわかりますが、それでもラストのサビまで歌い切っています。

歌詞が現実に具現化したような、そんなかけがえのない瞬間を味わってみませんか。

タイトル「光芒」の意味

タイトルの「光芒」はなかなか聞き慣れない言葉ではないでしょうか。

「光?」となんとなくは伝わってきますが、ここでひとつ正確な意味を押さえておきましょう。

より「光芒」の歌詞にのめり込んでいけるはずです。

一般的な用法では、細長く伸びる一筋の光を意味する。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/光芒

光芒という言葉は、ウィキペディアで上記のように解説されています。

ただの光ではないのですね。

ぜひ1度、頭の中で想い描いてみてください。

「光芒」の1番の歌詞

1番Aメロ

何にでもなれる気がしていた
蒼く光る時代
月日を重ねるほどに知る
足りないことだらけの現実

出典: 光芒/作詞:KOSHI INABA 作曲:TAK MATSUMOTO

出だしから嘆いています。

稲葉さんの歌詞は割と暗い感じのものが多いですが「光芒」の歌詞もそうですね。

蒼く輝いていたのは、どんな時代なのでしょうか。

おそらく若さや希望に満ち溢れていたときのことを歌っているのでしょう。

「若さゆえに怖いもの知らずで、どんなことも叶うと信じてきた。」

「しかし、いろんなことを経験して自分の実力が客観的に見えてしまった。」

高い目標を立てて努力したことがある人なら、ここのフレーズだけで思わず感情移入してしまうでしょう。

上を見れば実力者は数限りなく、自分の欠点ばかりが目についてしまう心境です。

稲葉さんほどのロックスターでもこのような感情を抱くものなのでしょうか。

その答えは本人に聞かないとわからないですが、頂点を極めた者なりの深い悩みがあるのかもしれません。

歌詞の主人公と作詞者は完全にイコールにはならないことも多いですが、少しそんな風に考えました。

さらに嘆きを重ねる1番Bメロ

みずみずしい未来が ひからびてゆく

出典: 光芒/作詞:KOSHI INABA 作曲:TAK MATSUMOTO

Bメロは歌詞でいえば1行しかありません。

それでも苦悩と嘆きがヒシヒシと伝わってきますね。

現実の世界を知らずに希望だけを携えていた時代を思い出した主人公。

未来もそのまま続くかと思いきや、そう上手くはいきません。

それを、水分が飛んで干上がっているように表現しているのです。

ひからびるという歌詞とは反対に生々しい感情を突きつけています。

風景と心象の中間のような描写ですね。

稲葉さんの歌詞にしみじみと浸ってしまいます。

サビで見えてきた「光芒」の映像

どこかで狂う夢の時計の歯車 おしよせる日々の流れ
生きるのは苦痛?そういうものだろうか ひたすらにがんばるほど
行きづまる感情が破裂しそう
くずれおちそう

出典: 光芒/作詞:KOSHI INABA 作曲:TAK MATSUMOTO

「頑張れば頑張るほど、泥沼にハマって理想から遠のいていく。」

そんな心境を歌い上げています。

日々という実体のないものが、主人公を押し流しているようなイメージです。

サビの歌詞を聴いていると黒い渦が巻きついて光がだんだんと小さくなっていくような映像がみえます。

最後に残っているのがまさしく一筋の光「光芒」なのでしょう。

「この光芒だけは決して消えないでくれ!」

主人公の切情が心を揺さぶってきますね。

歌詞ではあまり具体的な描写はしていませんが、映像がはっきりとみえてくるようです。

稲葉さんの言葉選びのセンスによるものでしょう。

もちろん、人によって想像でみえるシーンは違うかもしれません。

ただ、それぞれの聞き手なりに強烈なイメージは浮かぶのではないでしょうか。