夜の闇にまぎれ 僕ら低空で飛び続けた
月は何も知らず 低くエンジンが響いてた

出典: https://twitter.com/Sigetti_Xa/status/380721038134226945

F-117の真っ黒な機体は夜になれば闇に溶け込みます。

ステルス機はレーザー探知からも身を隠すことができるため、夜の闇と一体化しながら低空飛行で敵地に忍び寄ります。

真っ黒な闇に浮かぶ美しい月は、闇と光の境界線を強調するように輝いています。

美しく光る月だけが異質な物体であるかのように、ステルス機はエンジン音をうならせながら爆撃地を目指していきます。

そこに どんな人が 暮らし
笑いあっているのでしょう
そこで どんな夢が 生まれ
育まれていたのでしょう

出典: https://twitter.com/utukashibot/status/933901847344984064

地図に示された
名も読めない町
今夜も正義を御旗に

出典: https://twitter.com/pypypy__/status/718456559123103744

ただ国家の命令に従い、知らされた標的の街は聞いたこともない名前の街。

なじみのない外国語で地図上のその街の表記すら読むこともできません。

名前すら知らないその街にも命があり、生活があり、未来を見つめながら生きていく姿があるに違いないと、見知らぬ人々への思いが一瞬頭をよぎります。

しかし任務を果たすことこそ今の自分自身の使命であると思い直し、爆撃の焦点を合わせます。

 

生きとし生けるもの全て焼き付くす
紅蓮の炎が真下に流れる
予定通りに機首上げて
弾薬庫の蓋閉じて
勝利の旋回
何も見ない 何も聞かず
何も 何も 何も 何も

出典: https://twitter.com/mkb_simonP/status/849982903668719616

焦点が合い、予定通り爆弾を目的地に落下します。真っ赤な炎が立ち上り、みるみる街を飲み込んでいきます。

まるで人々のうめき声が聞こえてくるかのようですが、耳をふさぎ、任務完了の合図をし、帰路に向かいます。

まるで祝うように
花火ささやかに打ち上げてる
怒り、嘆き、悔やみ、
そして憎しみを受け止めて

出典: https://twitter.com/ADM_JamesMendes/status/462272518271664128

仲間の元へ戻ると、すでに見えている勝利を祝うかのように花火を打ち上げているのが見えます。

先ほど爆弾を投下し炎の中に消え去った街の人々の怒りや嘆きの声が聞こえてくるようです。

任務を果たす者として避けて通れなかった行いとはいえ、一人の人間として犠牲者の思いを精一杯受け止めることしか術がなかったのではないでしょうか。

朝日より早く眩しい光が
突然ガラスを砕いて、
生きとし生けるものすべて同じ色
真紅の血が胸から流れる。

力なく握る操縦桿。
振り向き叫んでみても誰も答えない。
月が遠く霞み消える。
母も父も友も君も。

出典: https://twitter.com/emi_19940212/status/261832143431401474

(コソボ空爆に向かう)機体に突然の閃光でガラスが吹き飛びます。

今まで自分が目にしてきたのと同じ真っ赤な血が自分自身の胸から流れているのがわかります。

みるみる安定感のなくなっていく機体を何とか持ち直そうと操縦桿を握るも、意識が遠のき機体は地面へ向かってスピードを上げていきます。

あれほど光り輝いていた月ですら霞んでいく現実。もう助からないのかもしれないと思うと、会いたい人の顔が次々に思い出されます。

生まれた国が違うなら
こんな砂漠の朝焼け
見ずに生きてゆく

暁の空に夜鷹が
はぐれてもう戻れない
流れ星になる

出典: https://twitter.com/hayanesacri/status/875235678052769792

砂漠に向かって落下していく機体。

明けの空に炎を噴き上げながら落下する機体はまるで流れ星のようです。

編隊から離れてしまった機体はもう仲間の元に戻れることはないのでしょう。

生きとし生けるもの全て 同じ色 
深紅の血で 命を 育てる
どんな正義をかざしても
流れ出る深紅の血を
止められはしない

夢を 見てた 
長い 夢を
長い 夢を 
長い 夢を

出典: https://twitter.com/Heppoco_crib/status/848477570416771073

自らが命を奪ってきた肉体から噴き出す血も自分自身が流す血も同じなのだという事に気づきます。

国家同志のどんな理由を正当化したとしても、命が命を奪うことは許されるべきではありません。

血によって血の争いを止めることは決してできないのです。

遠のいていく意識の中で、これが夢から醒める単なる悪夢であってほしいと願いながら。

まとめ

「夜鷹の夢」いかがでしたでしょうか。

戦争によって失われるものの大きさを改めて感じさせてくれる内容の曲です。

ちなみにこの歌詞のモデルとなったと言われるデイル・ゼルコ大尉は撃墜された後、無事脱出し仲間に救助されました。

しかし彼は生きている間ずっと、彼自身が奪ってきたものに悩まされ続けるのかもしれません。

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