AI【HOPE】歌詞の意味を解説！なぜ未来が勝手に決められた？信じてたものが崩れていった先を深読み

ここまでの流れで、悲しむ人は少しずつ前を向き始めたようです。

胸を張って、また前を向いて歩き続けるようになりました…。

残念ながら、すぐにはそうならないでしょう。

こちらのパートでも、やはり悲しい気持ちが続きます。

叶えることのできない欲求に悩むどうしようもない気持ちが、歌詞に載せられているのが分かります。

deleteCとタッグを組んだMVは、こちらのパートからスタートしています。

いなくなってしまった人は、残された人のどんな要望にも応えてはくれません。

魂はまだそこにある、などと思いはしても、実体がなければどうしようもないこともあります。

魂に触れることはできないし、目に見えなければ会うこともできないからです。

1人の人間がいなくなってしまうと、残された人たちが責任の所在を巡って争うことがあります。

それは遺族の中でも起こり得ることですし、医療関係者が責められることもあるでしょう。

なぜと問うたところで、それに答えてくれる声もまた、どこにもありません。

責められた人たちは救いを持てないまま、どんどん追い詰められていくことになるのです。

がんなどといった病気の研究をしている人たちも日夜、そんな気持ちと闘っているのではないでしょうか。

それこそ誰から責められるわけでなくても、自分で自分を責めてしまうのかもしれません。

このパートは、2通りの解釈をすることができると思われます。

1つ目は、想う人を亡くした誰かです。

絶対助かると信じていたのに、それが叶わなかった絶望を感じます。

助けてくれなかった人へも、助けてあげられなかった自分にも、憎悪が向かっていくのでしょう。

何もできないくせにここにいる価値はあるのだろうかと、存在にすら疑問を感じてしまいます。

2つ目の解釈は、医療関係者です。

彼らを一人称にして考えると、歌詞の感じ方が変わってはこないでしょうか。

治療方法や病気について一生懸命研究してきたのに、それが結果に繋がらなかったとしたらどうでしょう。

歌詞にあるような、崩れるような気持ちを味わうのかもしれません。

思うにAIがこの【HOPE】で伝えたいと思っているのは、失った側の人のことばかりではないでしょう。

救えなかった側にも苦悩はあるのだということを、知ってほしいのではという気がします。

この楽曲はつまり、いなくなった人を取り巻くすべての人々へのエールでもあるのです。

明けない夜はないように、変化はきっと訪れます。

降り止まない雨がないのと同じで、いつかはきっと、雲が晴れる日が来るはずです。

ここから畳みかけるように、AIのエールが続きます。

1回目と同じ歌詞の繰り返しですが、今度は応援する相手が増えたように思えます。

「愛する人を亡くした誰か」と「医療関係者」です。

最初は、前者を慰める意味合いが強く出ていたのではないでしょうか。

【HOPE<-deleteC 2021-HOPE-ver>】のMVでは、複数の医療関係者の映像が流れます。

それぞれが抱える目標も、併せて示されています。

今回は後者に対しても、がんを始めとした病気の研究を諦めないでとエールを送っているのでしょう。

病気の治療法などは、短期間の研究ではなかなか発見できないものです。

「苦しんでいる人を助けたい」とどんなに強く願っても、結果が出ないこともあるでしょう。

がんも難しい病気ではありますが、生存率も徐々に上がってきています。

それはひとえに、彼ら研究者の不屈の精神あってのことなのでしょう。

負けない気持ちがあれば未来はやがて開けてくると、彼らはきっと分かっています。

それでもめげてしまいそうな時、AIのこの楽曲が希望を運んできてくれるはずです。