ヒプマイ-D.R.B- (有栖川帝統 CV:野津山幸宏)【3$EVEN】歌詞の意味を徹底解説！

いつだって想像するのは、土壇場での大逆転を叶える自分の姿。

手札はロイヤルストレートフラッシュ。サイコロはピンゾロ。スロットに並ぶスリーセブン。

それを引き当てれば数えきれないほどの大金が手に入る。俺は大金持ちだ！

天国か地獄か、賽は振られました。

どの目が出るかは誰にもわかりません。強いて言えば神のみぞ知る、といったところでしょうか。

しかし皆さんが予想した通り、現実はそんなに甘くありません。

子役で上がれど負けは覆らず。2歩進んで3歩下がるの繰り返し。

そんな調子で気づけば、自分の元手はどんどん減っていきます。

もう1回、もう1回だけ。一発でも当たりを引けば俺の勝ちなのに！

まさに神に縋るような思いで、それでも彼はまだまだ賭ける手を止めないのです。

すっかり負けが続くと、いくら生粋のギャンブラーでも気分はもちろん落ち込みます。

一度は頭をよぎる、「そろそろ降りようかな」という気弱な思い。

しかしここで降りてしまっては、彼のギャンブラーの名が廃ります。

勝負を負けで終わらせるなんて男じゃねえだろ！

有栖川帝統という人間の本質は、こういったある意味男らしい勝気さにあるのでしょう。

「続ける準備はできてるかい？」「もちろん！」

そう言って彼は再び、賭場の卓につくのです。

ここから先は真のギャンブラーのみが辿り着く境地。

そこにはビギナーズラックのように、たまたま転がってくる勝利などありません。

読み合い、ハッタリ、運の引き。それらも全てギャンブラーとしての実力の内なのです。

ギャンブルの境地に足を踏み入れたが最後、迷っている時間などありません。

一瞬一秒でも気を抜けば、たちまち足を掬われ沼に引き摺り込まれます。

それはさながら、戦場での命の奪い合い。

しかしそこでしか感じる事のできないスリルが、ギャンブルの大きな魅力の1つでもあるのでしょうね。

だからこそ、きっと彼は何度も何度もギャンブルに身を投じ続けるのです。

一度勝った後も、さらなる大きな勝利を引き寄せるために。

そして負ければ、そこからのどんでん返しで一発逆転を掴み取る為に。

2つのうち、どちらか1つを選ぶだけ。

しかしその選択で、数秒後の自分の運命には天と地ほどの差が生まれます。

ひりつくような焦燥感溢れるスリル、それこそが有栖川帝統の生きる糧なのでしょう。

そんなギャンブルの中で、時に飛び交う揺さぶりの言葉。

「ビビッてんのか？」

その言葉は彼を取り巻く賭場の見物人からのものでしょうか。

あるいは、彼自身の心の内に響く言葉なのかもしれませんね。

言葉や気持ちは実際の現象を引き寄せる、ともよくいいます。

負けた時のことを考えるから負けを引き寄せる。考えるのは勝利のことだけ。

引き返せないところまで来てしまった自分の心を、彼はそうやって奮い立たせるのです。

自分の選択は吉と出るか、凶と出るか？

いよいよショウダウンの時間です。

ギリギリのスリルの中で行われる勝負。それに挑み勝ってこそ男だろ？

ギャンブルに生きる彼の姿勢は、どんな状況になっても揺らぐことがないようです。