indigo la End【フラれてみたんだよ】歌詞の意味を解釈！魔法以外に「解くべきもの」とは何か

上記はこの楽曲の最後の歌詞パートです。

歌詞に反して優しい歌声と包み込んでくれるメロディーに少し前向きになれる気がします。

ただ「丸」や「味」などの言葉はまるで謎解きのようです。

他では聞かないフレーズで、川谷絵音らしさが存分に詰まったものとなっています。

彼が考えている夜は、いつもの夜でも長い夜でもなく「平等」なのです。

お互いに同じ思いで過ごしていた夜が強調されているような気がします。

でも、第三者から聞いてしまったことにより全てが勘違いだと知ってしまったのでしょう。

そしてここで前述の「丸」という表現がつながってきます。

丸は円満な幸せだったころの2人の投影です。

歌詞に何度も出てくる月も同様に2人を表しているのでしょう。

食べると無くなってしまう。2人の関係の終わりを自覚したのではないでしょうか。

そんな意味を含ませた言葉の選び方がすごいですね。

この楽曲のMVは男女の別れを女の子目線からとらえ、現在と過去を交差させたストーリーになっています。

幸せだった過去と、あなたと別れ1人になってしまった現在が表現されているようです。

演じるのはカバーモデルにもなっている林田岬優さんと俳優の岡田翔大郎さんです。

アートディレクションはYOSHIROTTENで、八木咲が撮影を担当しています。

お気づきかもしれませんが楽曲のモチーフとして「月」が登場しています。

このMVでも同様に、随所で丸いものが登場しているのです。

幸せな過去の「あなた」と一緒の時の丸と、2人が同じ月を眺めていられたあの頃。

1人きりで見る月と、割れた皿など気持ちや状況の変化が映像だと分かりやすいです。

魔法にでもかかったかのような幸せな時間は解かれてしまったのでしょう。

1人に戻ってしまうことで、夢のような魔法が解けるのだといいたいのではないでしょうか。

「月」と合わせて「丸」も実は重要なピースです。

MVを観ながら聴いていると謎が解けていくことがお分かりいただけたでしょう。

MVでは歌詞がずっと映像の右に表示されていますが、ある時に左へ移動しています。

強がりながらも「フラれてみた」とまだ吹っ切れていない気持ちでいる間はずっと右です。

昨日までの「平等」がなくなってしまった後から、歌詞の表示は左になるのです。

主人公は影が1つになり、現実を受け入れなくてはならなくなりました。

歌詞でも初めてフラれたと負けを認めています。

心の動きに合わせて、歌詞の表示位置も変えてあるのかと思うとすごいの一言です。

解くべきもの、それは終わってしまった恋にとらわれている心です。

もう手が届くはずもなく、無理なのだと主人公はわかってしまいました。

楽しかった思い出や過去に縛られるんじゃなく、一歩踏み出そうとしています。

心を自由に解き放とうというメッセージが隠されているのではないでしょうか。

聴く人によっては違った解くべきものがあるかもしれません。

MVでは最後のフレーズが真ん中に表示されています。

これには意味があるのでしょう。

それは想いを断ち切れず、魔法が解けただけと思い込んでいた強がりではありません。

この恋を全て受け入れて進むということを表しているのではないでしょうか。

MVの女の子もはじめてむき出しの感情を出していました。

怒りやくやしい気持ちはマイナスな感情と思いがちです。

しかし、前に進むためには必要な感情です。

悲しくてさみしくて幸せだった頃の思い出にしがみついていても前には進めません。

見返すためには前に進むしかないのです。

強がりではなく、強くなった自分を表しているのではないでしょうか。