待望の2ndアルバム『有頂天』
「ロック」への拘りを捨てたことでより「ロック」となった作品集
これは本当に2ndアルバムなのでしょうか?
ポルカドットスティングレイ(以下ポルカ)が2019年2月に発表した『有頂天』。
そこにはエレポップ・ラップ・バラードなど予想もしていなかった楽曲が満載されています。
通常の感覚ではここまで実験を重ねるのは3枚目以降と相場が決まっているのですが...。
ポルカのキャパシティは普通の感覚で考えてはいけないということが十分理解できました。
ファン泣かせ!2種類の初回限定盤
何よりファン泣かせなのが『有頂天』のリリース形態です。
初回限定盤は「あなたもうちょうてんパック」&「もっとまけられないたたかいパック」の2種類。
前者には雫の飼い猫「半泣きビビちゃん」デザインの可愛すぎるTシャツ。
そして後者には『一大事』初回盤付属DVDの続編を収録したDVDが付いてくるのです。
「両方買いなさい」という雫の強力なマーケティング戦略に屈するしかないのでしょうか?
その辺はお財布と相談するとして、今回は『有頂天』の中でもっともポルカらしい楽曲をピックアップ。
『DENKOUSEKKA』の奇妙奇天烈なMVを徹底解釈してみようと思います。
ポップな演出の『DENKOUSEKKA』のMV
今回ご紹介するのはアルバムの2曲目に収録された『DENKOUSEKKA』のMVです。
『有頂天』の発売日である2019年2月6日に公開されたMVをご覧ください。
舞台はMVを撮影するためのスタジオの一画です。
バンドの背景にはクロマキー合成用のグリーンバックが設置されています。
どうやらアニメーション&CGとの合成を前提とした撮影のようです。
「演奏だけのMV、慣れてないから不安やわ~」
「ちゃんと絵持ちするかな?」
そんなやり取りをLINE上でメンバーと交わす雫。
そしてお気に入りのLINEスタンプをタップした瞬間、事件は起こります。
主役は「けたくま」?
「けたたましく動くクマ」に翻弄されるメンバー達
そう、メンバーの目の前に姿をみせたのはあの有名キャラクター。
「けたくま」こと「けたたましく動くクマ」です。
ここから『DENKOUSEKKA』のMVは怒涛のアニメーション演出が施されてゆきます。
AD扮する「けたくま」のに手にしたカンペには以下の文字が。
「世の中パンチと勢い」
演奏シーンでけたたましく踊る「けたくま」。
次の瞬間「けたくま」は謎のラブラブ光線をメンバー目がけて発射しました。
するとポルカのメンバーは変わり果てた姿へと変身してしまうのです。
学生時代にタイムリープ?
気づけばポルカのメンバーは全員学生服を身につけています。
ご丁寧に背景には教室風のアニメーションCG(超チープ)まで合成されている始末。
黒板には「2月6日・日直けたくま」の板書まで...。
雫のいで立ちはロンスカ・セーラー服&革手袋に手裏剣という似非「スケバン刑事」風に。
YouTubeのコメ欄に溢れるスケバン姿の雫への膨大な萌えコメント。
リーゼントに短ラン&ボンタンというヤンキー姿のユウキは木製バットをベース代わりに弾いています。
ちなみに画面右下には「森の主」という謎のコメントが...。
ハルキ&ミツヤスが優等生風なのは彼らの過去と関係あるのでしょうか?
演奏シーンはさすがポルカ、どんなファッションでもクールです。
しかし「けたくま」の超ノリノリダンスにつられて踊りだすメンバーの絵面は限りなくシュール...。
そして「けたくま」とのコラボMV撮影は続きます。
脈絡のないコスプレ大会
「けたくま」のイタズラはとどまる所を知りません。
続くラブラブ光線に当てられたポルカのメンバーの姿を見てみましょう。
警官・僧侶・バス運転手・弁当工場の工員...もはや脈絡がありません。
『DENKOUSEKKA』のMVはポルカ一世一代のコスプレ大会だったのです。
僧侶に扮したユウキは竹ぼうきをベースに見立てて超絶チョッパープレイを見せつけます。
しかし個人的に一番感嘆したのはバス運転手に扮したハルキです。
手袋着用での高速カッティングからのせわしないコードチェンジ。
あらためてポルカのサウンドの核はハルキのギタープレイにあることを実感しました。