【SWEET DREAMS/松任谷由実】この電話が最後…甘く切ない恋の終わりを歌った歌詞の意味を解釈

皮肉なことに、彼女の頭にはすでに彼の将来の彼女の姿が浮かびます。

辛いことに彼の横で微笑むのは、自分でないことだけははっきりしているのが悲しい。

彼の夢が叶うころというくだりから、彼は彼女ではなく自分の将来の夢を選んで離れていったのでしょう。

先は完全には見えてないけど、夢に向かってすべてをかけることに決心した彼は、彼女にとっては希望にあふれる素敵な人。

勝手な推測ですが、彼が海外赴任になるとか、遠い所に転勤になるといったようなシュチュエーションの様な気がしますね。

彼と別れることになったのは、嫌われたからじゃないんです。

彼が自分と違う道を選んだから。

でもどうせ別れなくちゃならないのなら、いっそ嫌われたほうがましというのは納得できます。

こんなに好きなのに、自分を置いて旅立つ彼を嫌いにもなれないし、忘れることもできない。

彼女のやりきれない気持ちが痛いほど伝わってきます。

この後、コーラスパートのリフレインがあり、彼女は何度も自問自答します。

どうしてこうなったのか、どうするべきだったのか？

無邪気にキスをする二人の写真が、彼女の悲しみに拍車をかけます。

「何に負けたの？」それは彼の将来への情熱に負けたんでしょうね。恋と仕事の天秤にかけられてしまったんですよ。

彼女にとっては、分からないことばかり。でも彼は将来の可能性を選択したのです。

松任谷由実の「SWEET DREAMS」皆さんは、どんな風に解釈されましたか？

彼女がしきりに自問自答しようとする、どうして嫌いになってくれなかったの？何に負けたんだろう？

この回答は、二人にもまだ分からない将来にお預けの宿題の様なもの。

「SWEET DREAMS」は彼女の叶わない夢を表したタイトル。同時に二人の素敵な思い出でもあります。

人生は、毎日が選択の連続です。あなたが彼だったら、恋愛と仕事どちらを選びますか？

将来へのチャレンジは誰もが経験する人生の通過地点。ユーミンの歌詞には、単なる恋人たちの惚れた腫れたがテーマではなく、もっと深い人生観の様なものが秘められているのが特徴。

曲を聞いた後に、自分にも同じことを問いたくなる奥の深い歌詞が印象的でした。