「退屈」という言葉が使われていますね。
人はどんなに刺激的なことに対しても、それが繰り返されるうち次第に「飽き」を感じてしまうものです。
そうなると、全てのことが停滞してしまったり、気持ちが沈んで何もできなかったり…。
悪い影響がたくさん出るものです。
しかしその原因は、いつでも自分の中にあります。
「退屈」はその物事自体の刺激が失われたわけではなく、それを感じる人間側が変化しているから。
刺激を感じ、捉える人間の思考がなくなっただけだと言っています。
もっと深く深くへ思考を掘り下げ続ければ、飽きることなんて永遠にないはずなのですから。
そして思考を停止する、ということはすなわち、その場に停滞することも意味します。
停滞していては何も変えることなどできません。
大切な世界を守ることもできない。
大切な使命を持つ主人公にとって、そのような「退屈」は邪魔でしかないのです。
守るもの。アニメの主人公にとって守りたいのはこの世界でしょう。
サーヴァントや仲間の力を借りながら奔走する主人公。
もちろん大きな目的は「世界を守ること」でしょうが、きっと彼らにはそれ以外にも守りたいものがあるはずです。
それは共に戦う仲間のマスターや、戦いに力を貸してくれるサーヴァントもそうでしょう。
その目的を忘れるなら、大きい口は叩けないはずだと、厳しい言葉を向けています。
さらに主人公には、大切な人を守れなかったという暗く悲しい過去があります。
ここの歌詞は、そんな過去にもリンクしているのではないでしょうか。
主人公の責任感の強さや、使命感・正義感の強さがうかがい知れる1フレーズですね。
主人公が抗い続けるもの
『正体不明の~』とは、言い換えれば運命のことではないでしょうか。
運命はすでに決められていること。
それは圧倒的で、全てをなかったことにする力を持っています。
わたしたちが考えたこと、それに世界の常識だと思えることだって、運命には歯が立たないのです。
まだまだ戦い続けろ
冗談じゃねえよPhantom’s begun! 嘘にまみれきって蜃気楼
心まで霞んで蜃気楼 善々悪々も審議不能になる
全部嫌になった それさえも幸せな結末だ
だめだ そんな悲しいこと言うな まだ世界は生きてる
君が泣いてたって生きてる だからこの空の先を見たい
邪魔すぎる運命のターゲット睨みながら
言えそうで良かった「まだ愛していたい」
出典: Phantom Joke/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也
蜃気楼とは実際には存在しない、いわば幻のようなことを指します。
はっきりとしていた意思が揺らいだり、何を信じたらよいかわからなくなったり…。
そういった、主人公の心の揺らめきが表現されています。
きっと苦しい旅の途中、それらを見失いかけたこともあったのでしょう。
信じて疑わなかった善悪の区別さえ、曖昧になりかけています。
このまま人類史の終わりを受け入れて、その中で最大限の幸せを探して生きていくこと。
戦いを諦めて運命を受け入れ、そのまま流されるように生きていくこともまた、その人の選択でしょう。
しかし主人公は気持ちを切り替えています。
世界を救える可能性があるなら、諦めたりはしないんだ。
「空の先」は、きっと自分の手で輝きを取り戻した、未来の世界のことでしょう。
必死に運命に抗いながら、愛すべき人々や世界のためにまた立ち上がるのです。
続く争いの中で…
闇の根源はどこ?
激流は続く 暗い底はまだ見えない
ふざけるな おい誰だ 無下に弄ぶな 時間が闇に競り負ける
出典: Phantom Joke/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也
主人公の戦いはまだまだ終わりません。
そして悲しいことに、まだ争いの根底にたどり着いていないのでしょう。
ゲームに例えるならば、いわばラスボス。
未来が闇に飲まれる前に、過去を変えなくてはなりません。
主人公の焦りや苛立ちがにじみ出ているように感じられますね。
ネガティブから抜け出せ
無慈悲に泣く声も 無力に止まる足も
未来の足かせになるから 目を覚ませよ
出典: Phantom Joke/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也
辛いことがあれば落ち込んだり、苦しいことがあれば泣いたり、人はそんなことを繰り返しています。
現状を打破できない自分自身にもどかしさを感じては、その場で立ち往生してしまうこともあるでしょう。
しかし何度も繰り返されているように、その場で停滞していては何も生まれません。
未来を変えたければ、進み続けなくてはならないのです。
ネガティブに支配されていないで、その状況を打ち破れ!
そんな強い気持ちが込められているように感じられます。
未来に向かって
「このままがいい」だとか「生きたい」も願うだけじゃダメってこと
大切なフレーズをこぼすな 物語がゴミになる
出典: Phantom Joke/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也