ドラマ主題歌「月食 ~winter moon~」
ラブバラードの傑作
2014年11月12日発表、miwaの通算15作目のシングル「月食 ~winter moon~」。
また「希望の環(WA)」と両A面シングルとして発表されました。
オリコン・シングル・チャートで最高10位を記録したヒット曲です。
ドラマ制作陣のリクエストは「命と家族」の大切さを感じる作品でした。
miwaはこのリクエストを得て、さらに独自の解釈で歌詞を紡ぎます。
制作中に起きた皆既月食をモチーフに充実した恋愛に生きるふたりの愛を描きました。
凛として静かなラブバラードの傑作です。
この曲の歌詞の意味を紐解きながら恋愛に大切なことなどを確認できたらと思います。
それでは実際の歌詞を見ていきましょう。
「月が綺麗」がすべての始まり
ふたりが初めて手をつなぐ
ねぇほら 覚えてるかな 月がきれいだよって見上げた空
“寒いね”そういいながら かじかんだ手 初めてつないだね
出典: 月食 ~winter moon~/作詞:miwa 作曲:miwa
女性から男性に語りかける言葉で綴られています。
ふたりが初めて手をつないだのはおそらく冬です。
「月が綺麗」というラインは夏目漱石の「I love you」の和訳のエピソードを想起させます。
英語講師だった夏目漱石が「I love you」を「私はあなたを愛しています」と訳した生徒に諭した言葉。
「日本人はそんな直截的表現はしません『月が綺麗ですね』くらいの訳にしなさい」
そんな有名なエピソードがあります。
好きだとかの言葉がなくても自ずと手をつなげる信頼関係があれば言葉以上に伝わるものがあるはずです。
冬が巡る度に噛みしめる幸せ
miwaの優しい言葉たち
雪が降るたび 思い出よみがえる
今年の冬も 一緒にいれてよかったね
出典: 月食 ~winter moon~/作詞:miwa 作曲:miwa
優しく・易しい言葉で綴られるmiwaの歌詞ですから深読みする機会はあまりないです。
ただし雪が迷惑に感じるほどに降り積もる豪雪地帯のお話ではないような気がします。
ときどき雪が降っては積もってゆく地方のお話でしょう。
冬に付き合い始めたふたりが毎年想い返して幸せを確認しあえること。
充実した生活をともにしているのだなと微笑ましく思わされます。
回想できるほどにふたりの恋愛が様々な出来事を共有していることの証でもあります。
当たり前のことが奇跡である
破綻のないmiwaの言葉
そばにいたいと思える人がそばにいる
こんな幸せ その笑顔 守りたいの
あなたのために 私のためにずっと
出典: 月食 ~winter moon~/作詞:miwa 作曲:miwa
サビの歌詞です。
当たり前の幸せを歌っているようですが、この広い世界でかけがえのないひとと出逢えたことは奇跡。
この先の日々も変わらない関係でいられることを願う自然な気持ちが歌われます。
破綻の少ないmiwaの歌詞ですから安心して作品世界に没入できるでしょう。
いつでも同じことで笑いあえることも大切な相性です。
このとてもうらやましく思える関係に自分の人生をそっと振り返る人もいるはず。
今はまだ理想の恋愛に出逢えていない人にも等しく未来はあります。