「すべての恋愛」に当てはまる切ないラブソング
sumikaの9thシングル
雪のよう美しくも儚いメロディと、片岡さんの歌声がベストマッチ!
MVもスノードームなど雪を意識した仕上がりになっています。
雪は綺麗なものという印象がありますが、その中でも少し切ないイメージも一緒にありませんか?
歌詞は冬を舞台としたラブソングで、雪というテーマが示すように叶わぬ恋が描かれています。
そして何よりこの歌詞の最大の特徴は、ある意味「すべての恋愛」に当てはまるということです。
「失恋の時点ですべてではないじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、そういう意味ではありません。
確かに成就する恋もあれば叶わぬ恋もありますが、その前にこの世には様々な恋愛の形があります。
どういう意味の「すべて」なのか、それはMVと歌詞を見れば分かるでしょう。
同時にタイトルの「願い」も、どんな願いなのか注目です。
ドラマ「おっさんずラブ-in the sky-」主題歌
「願い」はテレビドラマ「おっさんずラブ-in the sky-」の主題歌として書き下ろされた曲でもあります。
前作の「おっさんずラブ」からかなり話題になった作品です。
そのため、タイトルくらいは知っている人も多いのではないでしょうか。
そう聞くとLGBTを思い浮かべるかもしれませんが、この作品でそういった話題はありません。
そんな作品の世界観は「願い」の歌詞にもマッチしています。
ドラマを観ることで歌詞の理解もより深まるでしょう。
興味がある人は、ドラマもあわせて観るのがおすすめです。
失恋を知った時
冬、主人公はある人物に思いを寄せていました。
一緒にいられるだけで幸せな、混じりけのない恋心です。
しかしそんな時、ある事実が判明します。
主人公の恋は、いったいどうなってしまうのでしょうか?
一緒になる未来を望んでいた
あなたの瞳に映って
私は「幸せ」って
笑っている
未来を探していた
出典: 願い/作詞:片岡健太 作曲:黒田隼之介
自分と好きな人が一緒になって、笑い合う。
主人公はそんな幸せな未来を望んでいました。
単に望むだけでなく、実際に模索もしていたようです。
恋が叶うように、精一杯努力していたのでしょうね。
相手の「瞳」に自分が映っているわけですから、好きな人の隣にいたいと望んでいると考えられます。
つまり、望むのは恋の成就。
恋をしている人なら、おおよそ当てはまるのではないでしょうか。
ポイントはいうまでもなく「探していた」と過去形になっていることで、逆説的に「今はそうではない」といっているのです。
過去形の持つ意味は特に恋愛においてはかなり重要で、英語でも”I loved you.”と”I have loved you.”は全く意味が異なります。
主人公と一緒に笑って進む未来を探していたけど、そんな未来は実現しなかった切なさが歌い込まれています。
あなたがいれば冬も寒くない
「おはよう」
たったひとつで世界が弾むから
あなたはすごい人だね
寒い冬を温められる人
出典: 願い/作詞:片岡健太 作曲:黒田隼之介
好きな人の言葉や声は、科学では説明のつかない大きなパワーがあります。
安心したり、元気がでたり楽しくなったり。
主人公にとっては、たった一言あいさつされただけで冬の寒さも吹き飛んでしまうようです。
しかも吹き飛ばすだけでなく、温かさまでもたらしてくれる想い人の声。
好きな人の前で上がっているから、温かくなるように感じているのかもしれません。
それは相手のことが好きだからでしょうが、そんな力を持った相手に主人公はますます惹かれていきます。
当然ながら「寒い冬」とはこの場合凍り付いてしまった主人公の頑なな心なのではないでしょうか。
その頑なな心を好きな人の言葉が簡単に溶かしてしまう様がありありとこの歌詞に歌い込まれています。
しかし、それは決して表面上ではなく声をかけてくれる男性の声が真に優しいものでなければ響きません。
これこそ正に「言霊」というべきもので、何気ない一言であっても人を元気にするのは言葉にこもった思いです。
その思いが嘘ではなく心からのものだからこそ好きになります。