GARNiDELiAのデビュー曲「ambiguous」を解説!
多くのアニメソングを手がけ、アニメファンなら誰もが一度は耳にしたことのあるユニットGARNiDELiA。
そんなGARNiDELiAのメジャーデビューを飾ったのが「ambiguous」です。
「ambiguous」は「キルラキル」のOP!
「ambiguous」は2013年に放送されたテレビアニメ「キルラキル」のためにつくられた曲。
「キルラキル」の後期オープニングテーマとして、物語を盛り上げました。
「キルラキル」って?
まるで昭和の熱血アニメのようなテンション。迫力のある映像と破天荒なキャラクター。
単純なアニメに見えて実は複雑に織り込まれた作品が「キルラキル」です。
あの「天元突破グレンラガン」のスタッフが再結集したということもあり、話題を集めました。
メインの舞台となるのは本能寺学園という高校。
生徒会長の鬼龍院皐月(きりゅういん さつき)が君臨する学園には四天王と呼ばれる精鋭がいます。
極制服(ごくせいふく)という特殊な制服を身にまとった彼らは、超人的な力を備えていました。
そんな学園に転校してきた主人公・纏流子(まとい りゅうこ)。
流子は片太刀バサミという武器を手に、本能寺学園四天王と生徒会長の皐月に勝負を挑みます。
流子のもうひとつの武器は、しゃべる制服・鮮血。
鮮血は特別な繊維で織られた神衣(かむい)という服のひとつ。着た者の血を吸うことで力を発揮します。
着るか着られるか。はたまた切るか切られるか。
特別な服を着た者たちによる熱い戦いと、一筋縄ではいかない物語が魅力の作品です!
意図を断ち切り糸をつむぐ
「運命の意図」を断ち切れ
運命の意図を 断ち切った その先に..
出典: ambiguous/作詞:meg rock 作曲:toku
出だしの1行で、「ambiguous」が「キルラキル」のためにつくられた曲だとわかります。
片太刀バサミになぞらえた、断ち切るという表現。
そして切るのは「糸」ではなく「意図」。
運命なんかには屈しない。未来は自分で切り開いてやる。
そんな流子たちの強い意志を感じる歌詞です。
不器用なファッションショー
背伸びしていたんだ
靴擦れだらけの 狭い 世界で
ランウェイを歩く 笑顔の裏側
隠した つもりで
だけど いつも 君には
見抜かれてしまっていて
こんなのは はじめてで 戸惑うけど
出典: ambiguous/作詞:meg rock 作曲:toku
ファッションショーを思わせるような「ランウェイ」という言葉が使われています。
しかしそんな華やかな場所を歩くのは、美しいモデルではありません。
背伸びして見栄を張った、サイズの合わない靴。
歩くたびに痛みを増すような靴を履いて、「ランウェイ」で笑顔を見せる。
自分のつらさを隠したつもりですが、それは「君」に見抜かれてしまっています。
初めて自分の心の中に入ってきた「君」に対して戸惑っている様子が目に浮かびますね。
この「ambiguous」の主人公は誰でしょうか。
主人公の流子を描いていることは間違いないでしょう。
しかしもう一人、皐月の姿も描かれていると私は思います。
物語の前半では、絶対的な敵として君臨する皐月。
しかし物語が進むにつれて、皐月の過去や本心が見えてきます。
「キルラキル」を最後まで観た後にこの曲を聴くと、きっと皐月のことも歌っているように思えるはずです。