主人公を認めてくれる「君」との出会い
楽園を拒むような
僕のハイカットスニーカー
つっついて君は「かわいいね」と言った
渚が映し出したスクリーン
出典: 夏の夢/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
ここは曲の中で最も印象的な一部分です。
ハイカットスニーカーは夏の海を拒否するものの象徴。
ギュッと紐を結んで断固として海には入らないと言っているようなものです。
しかしそれを褒めてくれる「君」が表れ、主人公のいる世界は楽園へと変わります。
そんなことがあるのでしょうか?
夢のようなできごとですね。
いや、タイトルが「夏の夢」だということを考えるとこれは本当に夢なのかもしれません。
夏嫌いの「僕」でも認めてくれる人がいると考えると余計にうれしくなるのでしょう。
主人公が変わり始める
夏なんて知らない
後悔なんて来ない
いっそこのまま波になって play
君の手をとって run
照明はサンシャインでbright
行かないで summer time
出典: 夏の夢/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
もう一度サビの部分に入ります。
「君」が登場したことで、歌詞が少しずつ変わり始めます。
語尾に「play」や「run」など積極的な言葉が入り込んでくるのです。
ライトをつけなくても日差しで十分明るい夏を、肯定しはじめていると考えられます。
そして最後には夏に過ぎ去ってほしくないという感情まで芽生えるのです。
「君」との素敵な出会いが僕の夏嫌いを少しずつ変えていっていると解釈できます。
主人公が夏を好きなる日も近いのかもしれません。
イマイチ吹っ切れない気持ち
Summer time
夏の終わりが君の
幻想覚ますの分かっているから
永遠に僕が終わらせないって
生意気を目を視て言えたら
出典: 夏の夢/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
夜に見る夢の中で、夢だと分かっていることがあります。
目が覚めると消えてしまうから夢の中にいたいと思うことがあるのです。
主人公にとってもこれは夢のような話。
夏が終わってしまうと共に君が消えてしまうことが分かっているようです。
本当はこのままずっと幸せに浸っていたいのでしょう。
そして男らしく、もっと強気に出たいという心情が表れているように感じます。
ということは、実際にはこんなに強気には出られないという主人公なよう。
やっぱり少し吹っ切れない気持ちが残るところがイマイチ夏らしさに欠けますね。
主人公の中で何かが変わってゆく
星とか名前をかいて
なんの意味もないまま
砂文字をさらっていった
何かが変わりそうなシーン
出典: 夏の夢/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
今度は砂浜で砂に文字を描く主人公が登場。
この時点で夏嫌いだった主人公の中で何かが変わっている気がします。
夏が続いて欲しいという気持ちの芽生え
夏なんて知らない
後悔なんて来ない
いっそこのまま波になって play
砂浜のじゃれあい
横目で追うよ taxi ride
行かないで
出典: 夏の夢/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
そしてまた夏にネガティブな感情が表れるサビに続きます。
しかし以前の主人公とはだいぶ様子が変わってきているようです。
タクシーにも乗らずに夏の海を楽しむ主人公がいます。
「君」が登場したことで、こんな夏なら過ぎ去ってしまうのがさみしいなと感じ始めているのかもしれません。
夏がポジティブなものに!
どこへ行くわけじゃなくて
その手をつかむだけで
真夏に染まっていく
出典: 夏の夢/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ
夏という季節が確実にポジティブなものに変わっています。
夏から幸せを感じられるようになっているのです。