若い頃の自分を思い浮かべる主人公

生意気だった僕なら
なんて答えてるんだろう?
あぁ世界はあまりにも大きい

出典: 皮膚呼吸/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

「生意気だった僕」というのは過去の自分のことでしょう。

若い頃は生意気な面もあって、夢に対しても挑戦的だったのかもしれません。

「若さ」という武器があったからこそ生意気にもなれたし、勢いで夢を追うこともできたのでしょう。

しかし、歳を重ねた今となってはそんな挑戦的な姿勢をとることさえ躊躇ってしまう主人公。

この歌詞でいう「世界」とは"主人公の日常"のことを歌っているのではと解釈しました。

若い頃は責任を持つこともなく、目の前のことだけに必死になれた。

でも家庭や仕事を持つようになったら責任も増えて、日常(=世界)も大きく広がった。

そんな風にも捉えられような気がしました。

本当はまだ夢を見ていたい

深呼吸して 空を見上げて 風に吹かれて
いつからか 砂に埋めた感情を
まだ生乾きの後悔を 噛み締める
I’m only dreamin’, but I’m only believin’
I can’t stop dreamin’
このまま
変わっちまう事など怖がらずに
まだ夢見ていたいのに…

出典: 皮膚呼吸/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

「砂に埋めた感情」とは、夢を追いかけたい気持ちのことでしょう。

この主人公はある時を境に、夢を追うことを一旦諦めたのだと思います。

でも、本当は諦めたくなかったのでしょう。

「生乾きの後悔」とあるので夢を諦めた当時はすごく悔しかったし、今でも深く後悔しています。

 英語の部分の和訳は以下の通りです。

僕は夢見てるだけ、でも夢見ることを止めないって信じてる。

この英語の部分こそ、主人公の本音なのでしょう。

仕事や家庭環境などが変わることを恐れないで、夢を追えたらいいのに…。

そんな切なくてやるせない気持ちが綴られていますね。

置き去りにされている主人公

高架下は怒鳴り声にも似た音がして
時間(とき)が猛スピードで僕を追い越して行った

出典: 皮膚呼吸/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

高架下にいる時に聞こえてくる車や電車の走行音はとても大きいものです。

それを"怒鳴り声"というまさにぴったりな言葉で表現しているのが素敵ですね!

夢を達成できず、歳だけ重ねていく主人公。

そんな主人公のことを置いていくかのように時が素早く過ぎ去っていることを歌っているのでしょう。

ちょっぴり惨めで情けない心情を描いていることが分かりますね。

「恨めしく懐かしく」に隠された意味とは

意味もなく走ってた
いつだって必死だったな
昔の僕を恨めしく懐かしくも思う

出典: 皮膚呼吸/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

主人公だって昔は夢に向かってとにかく一生懸命でした。

意味のないように思えることだって、夢のためなら必死になれたのでしょう。

しかし、責任が増えた今となってはそんな余裕はありません。

色んなリスクを見越した上で物事を決断しないといけないですからね。

頭でっかちになりすぎてしまって、昔のようにがむしゃらになれない主人公。

だから「恨めしく懐かしく」といっているのでしょう。

夢を追うことが苦しくなった時こそ…

でも
皮膚呼吸して 無我夢中で体中に取り入れた
微かな酸素が 今の僕を作ってる そう信じたい
I’m only dreamin’, but I’m only believin’
I can’t stop dreamin’
このまま
切なさに息が詰まったときが
それを試すとき

出典: 皮膚呼吸/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

ここで初めて曲名である「皮膚呼吸」という言葉が登場しました!

人間はほとんど皮膚呼吸していないという話は先述しましたね。

でも、この主人公はデマだと思えるような皮膚呼吸の話を信じたいと話しています。

まるで、ほとんど幻に思えるような夢の成功を信じたい気持ちと重ねているようにも感じられますね。

そして、夢を追うことが苦しくなった時こそ、自分の情熱や本気度が試されるのでしょう。

ギターの音色と自分の気持ちを重ねた歌詞

出力が小さな ただただ古いだけのギターの
その音こそ 歪むことない僕の淡く 蒼い 願い
サスティンは不十分で今にも消えそうであっても
僕にしか出せない特別な音がある
きっと きっと

出典: 皮膚呼吸/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿