2つ目は春ファッションに身を包んだ斎藤さんとドラム鈴木貴雄さん。
…と、それに囲まれた半袖のベース田淵智也さんです。
このMVが公開されたのは3月2日。春に差し掛かった時期です。
お洒落な春服を来こなしている2人と、何故か夏を先取りしている田淵さん。
このアンバランスさがたまりません。じわじわ来ます。
3.くるくる変わる調
3つ目は驚異の転調です。
UNISON SQUARE GARDENの楽曲はくるくると転調していきます。
今回の「春が来てぼくら」も面白いほどに調が変わります。
何度聴いても飽きさせない、聴くたびに楽しい気持ちにさせてくれる。
そんな魅力がここに詰まっているのです。
4.控えめな田淵さん
そして最後、4つ目は動きが控えめな田淵さんです。
田淵さんといえば、「ヤバいぐらい暴れまくるベーシスト」です。
音楽番組に出演した際にはその暴れっぷりに「なんかすごい人が出てる」「大丈夫かこれ」など。
ネット上をざわつかせています。
筆者も初めてライブで見たときは「何が彼をここまで駆り立てるんだ…?」と驚愕しました。
しかし、どんなに激しく暴れようが一切音がブレないベースに感動。
いつの間にか彼と同じくらいに踊り狂ってしまいました。
言葉通り、全力で「音」を「楽」しんでるのがUNISON SQUARE GARDENの魅力です。
しかし、今回のゆったりした雰囲気の曲では流石の田淵さんも控えめ。
いつもの田淵さんと比べて見ると、より一層楽しめるのではないでしょうか。
立ち上がって歩き出すような1番の歌詞
では、歌詞の意味について考えてみます。
咲き始めたたんぽぽと 雪になりきれずに伝った雫
なんか泣き顔に見えた気がして 思わず傘を差しだす
右左どちらが正解なのか なかなか決められずに道は止まる
けど浮かぶ大切な誰かに悲しい想いはさせない方へと
出典: 春が来てぼくら/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也
春の訪れる歌詞から始まります。
雨の雫を涙に例え、その人物達が抱える苦しみや悲しみを感じさせます。
これから進む道がわからず、なかなか選択出来ずに足を止めている様子。
1人で考え込んでいても正解はわからない。
でも、頭に浮かんで来たかけがえのない人を思い出します。
そして、その誰かを悲しませない道を選んで進んでいきます。
自分の為だけでなく、大切な人を思うからこそ足を踏み出せるのでしょう。
葛藤や不安を抱えながらも前向きに進んで行く歌詞です。
歩き出す背中を押すような優しい歌詞
小さな勇気 前に進め
ちぐはぐなら ナナメ進め
進めたなら 光になれ
コトリ 高鳴りと コトリ 寄り添うように
季節の針は音立てるだろう
出典: 春が来てぼくら/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也
ここのナナメは、将棋の駒の動きを表しているのでしょうか。
それとも、前に進めなくてもナナメを向いて少しずつ歩みを進めていけという意味でしょうか。
「光」や「季節」というワードから、希望に満ちた春がすぐそこまでやって来ているのを感じます。
また春が来て僕らは新しいページに絵の具を落とす
友達になった、おいしいものを食べた、たまにちょっとケンカをした
それぞれの理由を胸に僕らは何度目かの木漏れ日の中で
間違ってないはずの未来へ向かう
その片道切符が追い風に揺れた今日は 花マルだね
出典: 春が来てぼくら/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也
このサビでは、メロディが一気に弾けて盛り上がりを見せます。
新しいストーリーを描いて行くことを示している歌詞。
さりげない日常のシーンを切り取って胸にしまい、正しいと信じる道に向かう。
春の光を浴びながら新しい「何か」を始めようと進んで行く。
片道切符ということは、もう戻ることはないという決意の表れでしょうか。
旅立ちの日に背中を押してくれている、そんな思いを感じます。
吹っ切れたような2番の歌詞
すぐこんがらがって悩んで 幸せなはずがもやついて
またゼロに戻った気がして迷路です
けれどふとしたことで一瞬でほころぶ
そんな風に そんな風に きっとできそうだね
出典: 春が来てぼくら/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也
人の悩みは絶えることが無い。
幸せだと思っていても、またすぐ壁にぶつかったり。
そんな、すぐ振り出しに戻ったように感じてしまう状況を「迷路」に例えています。
でも、そんな迷路の中にいても、ちょっとしたことで出口が見つかることも。
気負わずに行こう、というメッセージを感じます。