織江も大人になりました
出典: 織江の唄/作詞:五木寛之 作曲:山崎ハコ
この当時、織江はまだ16歳前後です。
決して大人ではありません。
それなのにもかかわらず、上記の歌詞のような台詞を言わざるを得ない状況になっています。
子どもが大人になって、様々なことを諦めざるを得ない状況です。
社会の不条理を感じます。
作詞者・五木寛之はこの不条理をクローズアップしたかったのかもしれません。
つまり、こういった状況の子どもをつくってしまっている社会構造に問題提起をしている可能性です。
メタ的に言うと
貧しいながら大学にまで進学した信介と16歳で夜の蝶となった織江。
五木寛之は両者を対比させたかったのではないかと推測します。
育った環境が似通っていながら対照的な二人は、メタ的な観点でお互いの存在感を惹きたてています。
織江は、主人公・信介の魅力を惹きたてる存在として重要なのです。
「織江の唄」のリズム感の秘密
さて、ここからは全く別の観点から歌詞を追ってみたいと思います。
「織江の唄」の歌詞の持つリズム感についてです。
実は、「織江の唄」の歌詞はほぼ七五調になっています。
七五調とは、短歌や和歌など七音と五音の音が続くことです。
七五調が続くことによって、独特のリズム感が生まれます。
そのため、日本の曲には七五調が取り入れられている曲が多々あります。
その中でも「織江の唄」は、七五調の歌詞の心地よさが光っている曲です。
百人一首を思わせるような冒頭部の旋律と相まって、曲全体に日本民謡のような雰囲気が出ています。
「青春の門」はまだまだ続く
「織江の唄」がイメージソングとなった「青春の門」ですが、この作品はまだ完結していません。
五木寛之は2017年より、「青春の門」シリーズの最新章にあたる「新・青春の門」を連載中です。
1969年から「青春の門」シリーズの連載を開始しているので、2018年現在で49年目になります。
再び「青春の門」という題材で、山崎ハコと五木寛之がタッグを組んだらどうなるのでしょうか?
「青春の門」が終幕する前にこのタッグをもう一度見てみたいです。
まとめ
今回は「織江の唄」の歌詞解説を行いましたが、いかがでしたか?
山崎ハコの歌声は素晴らしいです。
まるで山崎ハコに織江が乗り移ったかのような錯覚を覚えるほどの表現力でした。
またクリーンで明るく、透き通るような声質はまるで10代の少女のよう。
まさに「織江の唄」の織江を思わせる声質です。
今回「青春の門」を読まずに解説を行ったので、読みが浅いと感じられる部分があったかもしれません。
これをきっかけに「青春の門」シリーズを読んでみたいです。
下記に「織江の唄」が好きな方におすすめの記事のリンクを貼りました。
よかったらご覧ください。
それではありがとうございました。
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