いきものがかり「恋詩」とは?
いきものがかり「恋詩」を聴く
キャバレー・ジャズ的な昭和の匂いを感じる妖艶な歌だと思います。
いきものがかりはどちらかといえば直球J-POPな曲がイメージに浮かぶのですが、この「恋詩」は昭和のディスコの情景が浮かぶ、あやしさがある曲ですね。
いきものがかりのボーカル・吉岡聖恵はさわやかな歌が似合う声の持ち主。 原曲は彼女のパワフルな歌唱が聴けます。
「恋詩」と安田レイの出会い
TBS系ドラマ『美しき罠〜残花繚乱〜』主題歌
作家・岡部えつの小説『残花繚乱』を原作に女優・田中麗奈演じる主人公を含め男女の愛憎劇を描いたテレビドラマ『美しき罠〜残花繚乱〜』。
その主題歌としてドラマ制作サイドがいきものがかりの「恋詩」の曲を考えていたそうです。
この曲を新しいボーカリストに歌わせたいという考えから、安田レイにオファーがやってきました。
2013年にデビューし、その歌唱力を大きく広げている安田にとって、「恋詩」という妖艶な曲との出会いは自身を大きくステップアップさせる契機だったのかもしれません。
安田レイ「恋詩」をYouTubeでcheck!
ブラスとキャバレー・ジャズという昭和歌謡を思わせる楽曲の魅力はそのままに、安田レイの表現力が曲に新しい魅力を与えています。
映画『ムーラン・ルージュ』を思い出す、夜に生きる女性たちを歌った妖艶な曲なのでしょうか?
歌詞からその世界を探りたいと思います。
「恋詩」の世界を読む
絡まった蜘蛛の巣があたしを指差して、浮ついた胸の奥に皮肉を投げる
快楽に溺れし人の涙は、儚き夢の証
出典: https://twitter.com/renIword/status/914931559911743488
主人公の女性はどこかで蜘蛛の巣に絡まります。
そして"なにをやっているんだ"という皮肉が、まるで誰かに言われているみたいに響くのでしょう。
この"絡まった蜘蛛の巣"という表現には、人間関係の複雑な絡まりが表現されているのかもしれません。
もちろんその絡まりは、愛する人や愛していない人との肉体的な関係を含む、複雑な大人の人間関係のことだと思います。
そんな中で、快楽に溺れていくことは、本当の人生からは程遠い、儚い一夜の夢でしかないのです。
彼方に生きる民にあたしは無力、憂うべき運命に何を祈る
現実に流れし人の涙は、眩しき夢の魂
出典: https://twitter.com/renIword/status/914931559911743488
世の中の無常を憂う気持ちがあるのでしょうか?
テレビの向こうの輝いているアーティストに憧れて、でもそういうアーティストになれない。
そうして落ちていった様々な女性たちが、ひょっとすると夜の世界の女性になっていくように、夢に敗れる人々の涙が歌われています。
ここに昭和的でムーラン・ルージュ的な現実があると思います。
夜を越えあたしの夢今開く 胸の中に宿りし恋の詩
「一夜の戯れよ」と淡として
餞(はなむけ)の辞(ことば)を捧げましょう
出典: https://twitter.com/lovesong_lyri/status/935463109384339457