1stアルバム収録の「ケムリ」
メジャー1stアルバム「ゼイタクビョウ」
ONE OK ROCKのメジャー1stアルバム「ゼイタクビョウ」は少し変わった販売体系で売られました。
まず2007年11月21日に限定盤が発売。この限定盤は2,000円と通常盤より500円安く販売されます。
その後、2008年1月1日に、定価2,500円で通常盤が販売されたのです。
これはインディーズ時代からのファンに対する感謝の為などがあったと予想できます。
また、この方法は市場調査の観点でも有効です。
限定盤の売れ具合によって、増版の数量を調整できますからね。
在庫を極力持たないための手法としては賢いやり方といえます。
「ケムリ」の編曲家には平出悟を起用
そんな「ゼイタクビョウ」ですが、ONE OK ROCKの楽曲にはこの頃から強力な編曲家が参加しています。
今回紹介する「ケムリ」の編曲を手掛けたのは平出悟。
様々な楽曲の編曲に携わる編曲家で、特にUVERworldの編曲に携わることが多い人物です。
当時のONE OK ROCKはUVERworldと同じく五人体制でした。
それ故にオーケストレーションやマニピュレートの際の共通項も多かったのでしょう。
その他の楽曲では是永巧一やI.N.Aなどが参加。
是永巧一はギタリストとしても一流で、多大なアーティストのプロデュースを行っています。
I.N.Aは再結成後のX JAPANのマニピュレーターとしても有名ですね。
当時から業界内で注目されていたことが窺えます。
作詞はToruが担当
「ゼイタクビョウ」では2曲を担当
ONE OK ROCKの楽曲の作詞・作曲は、基本的にTakaかToruが担当しています。
今回紹介する「ケムリ」の作詞・作曲を担当したのはToruです。
「ゼイタクビョウ」ではToruはこの曲以外にも、「Borderline」を作曲。
その他「努努-ゆめゆめ-」や「Lujo」をTakaと共作しています。
「ケムリ」のような反社会的な歌詞を詩的表現で書き上げられる人物はそう多くありません。
この曲は特に、Toruの作詞能力の高さが見て取れる作品であるといえますね。
「ケムリ」の歌詞に迫る
それでは「ケムリ」の歌詞を解釈して行きましょう。
権威への不満
このままだと自分だけじゃなくて
この世界壊れるだろう
信頼できないデカい未来 夢はあるけど…
出典: ケムリ/作詞:TORU 作曲:TORU
若者特有の歌詞といえる部分です。
自分達には夢がある。
しかしこのままだとこの世界は崩れ去ってしまうだろうと歌っています。
大人や権威が語る未来のビジョンは巨大だが、本当にそこにたどり着けるのか。
根拠がなさ過ぎて信頼できないという心情を吐露しています。
思想のケムリ
今日も朝から夜までいい事一つもなかった
ただ時は過ぎて肌も鉄も酸化していくだけさ
世の中有害なものだけが生まれているような
自分のやりたいことも誰かに邪魔されて
吸い込んだケムリは人々の体を痛めつけ
何一ついい事なんてないんだ
どうしてくれるの?
出典: ケムリ/作詞:TORU 作曲:TORU