淡い恋心の色

君が触れたら、
た、た、ただの花さえ笑って宙に咲け
君が登って、て、
照れる雲も赤らんで飛んでいく

出典: あの夏に咲け/作詞:n-buna 作曲:n-buna

苦悩を抱える日々で見つけた「君」という存在。

見える世界の色が一気に変わりました。

美しい花は主人公の淡い恋心が花開いたことを描写しているのでしょう。

夕焼けに染まる雲さえも、恋の色に染まっていると表現しています。

感情豊かな人ですね。

君を中心に回る夏

君がいるなら、
た、た、退屈な日々も何てことはないけど
君がいた騒々しい夏もさよなら
誰か応答願う オーバー

出典: あの夏に咲け/作詞:n-buna 作曲:n-buna

「君」という存在が主人公の毎日を彩っています。

心の支えになっているようです。

そして、夏は過ぎ去りました。

「騒々しい」という言葉はどんな意味でしょう?

まずひとつ考えられるのは蝉の鳴き声。

慣れれば大したことないですが、なかなか騒がしいですね。

あとは、夏休みで人がたくさんいるという点かもしれません。

夏といえば様々なイベントがあり、どこも混み合っています。

そして何より、「君」という存在で心が揺れ動き、心の声や鼓動が騒がしかったのかもしれません。

涙を流す「君」

「カトレア」って?

雨の街路脇、君は立っていた
片手には赤い
カトレア

出典: あの夏に咲け/作詞:n-buna 作曲:n-buna

今度はちょっとシチュエーションが違います。

雨が降る中「君」の姿を見つけました。

「カトレア」は花の名前で、アルバムに収録されている楽曲名にもなっています。

洋ランの女王ともいわれる立派で気品のある花です。

花言葉は「優美な貴婦人」や「魅力的」

可愛いというよりもセクシーなニュアンスです。

なるほど、歌詞に出てくるのは「君」の美しさの象徴なのかもしれません。

「赤」という色がより大人っぽさを強調していますね。

突然の泣き顔に…

君の流した水滴が夕立ちみたく伝っていた
君が泣いてるのに手は動いた
声もかけないで
その顔を書いていた

出典: あの夏に咲け/作詞:n-buna 作曲:n-buna

「君」の顔には涙が伝っていました。

その泣き顔すら美しかったのでしょう

主人公は「君」の姿をただただ書いています。

でも、このやりとりには何だか違和感を感じませんか?

なぜ主人公は声をかけないのでしょうか?

気になっている女性が泣いていたら、何とかしたいと思うような気がします。

読み進めていきましょう。

主人公の胸の内

麻痺した心で

吐いて 吐いてようやくわかるのが
痛みです 虚しさです
なんかもう馬鹿みたい

出典: あの夏に咲け/作詞:n-buna 作曲:n-buna

恐らく主人公は自分の心を上手に認識することができません。

芸術を通してようやく形にするのです。

「吐いて」というのはアウトプットのこと。

外に出すことができて、ようやく自分の中にある感情に気が付くことができるのでしょう。

アウトプットすることで気が付かされる「君」への想いを歌っているのかもしれません。

何を「落とす」の?