秋山黄色の「アイデンティティ」
「約束のネバーランド」は「週刊少年ジャンプ」にて2020年まで連載されていたマンガです。
原作・白井カイウ、作画・出水ぽすかにより描かれています。
同アニメは2019年1月~3月にSeason1が放送され、2021年1月よりSeason2がスタートしました。
「アイデンティティ」は同アニメSeason1第11話内のCMにて音源初解禁となりました。
秋山黄色は約束のネバーランドを連載当初から読んでいたといいます。
「真っ向から向き合って作った」とコメントしており、思い入れの強い楽曲でもあるようです。
その言葉通り歌詞を読むとあっという間に同作の世界観に引き込まれるでしょう。
主人公エマの紡いできたストーリー、仲間を守るために壁に立ち向かう姿がグッと感じられます。
アニメとリンクしたMVの世界観にも注目
「アイデンティティ」のMVは閉鎖施設に閉じ込められている少年が描かれています。
そこから脱出を試みるというストーリーです。
殺風景で色味を感じられない部屋の中でロボットのような感情を感じられない人に監視をされています。
出される食事は少なく決して美味しそうなものではありません。
大量の薬も摂取させられていて、人体実験のような何かを読み取ることができます。
とても人としての扱いを受けているようにはみえないでしょう。
「約束のネバーランド」のストーリーもハウスからの脱出から始まります。
自分たちがいる場所は食用孤児を育てるハウス(施設)だったのです。
現実を知り、自らの運命を変えようと策を打ち実行に移していきます。
MVの世界観はまさに約ネバそのものともいえるでしょう。
アイデンティティの意味とは
・あるものが時間や環境の変化に影響を受けず連続する同一のものであること
・主体性、自己同一性、自己の存在証明
アイデンティティの意味を調べるとおおよそこのように書かれています。
自分自身の価値とは一体何なのでしょうか。
歌詞からは“自己の存在証明”を模索しているように感じられるでしょう。
信じていた幸せな日常の真実
何が夢で何が現実だったのか
思い出した 思い出した
瞬き一回と絶望の感覚を
目が覚めても夢を見てた
僕らの一瞬が輝くストーリーの
出典: アイデンティティ/作詞:秋山黄色 作曲:秋山黄色
「忘れかけていた記憶が蘇ってきた」そんな歌い出しから始まります。
寝ても覚めても大切な人が側にいる日常は、どこを切り取ってもキラキラと輝いてみえます。
そんな疑ったことも無かった日々が突然崩れ落ちてしまったらどうでしょうか。
一瞬のうちに絶望に突き落とされるでしょう。
いままでの日常は全て偽りだったと気付かされたら、何も信じることが出来なくなってしまうでしょう。
長い夢を見ていただけなのか、自分の過ごしてきた日常が現実だったのかさえ分からなくなるのかもしれません。
焦る気持ち
時計の秒針よもう少し笑ってくれ
あんたでいっぱいいっぱいだったんだ
出典: アイデンティティ/作詞:秋山黄色 作曲:秋山黄色
思うように物事が進まないとき時間は早く進むように感じます。
監視の目を出し抜いて脱出するには入念な計画と準備が必要です。
原作ではノーマンの出荷が決まり施設からの脱出の計画が間に合わなくなります。
大切な人との別れが迫っているときなどは無情にも時の進み方は早く感じるものです。
歌詞からノーマンを失いたくないエマの焦りがリアルに読み取れるでしょう。
壁に立ち向かう強い気持ちと決意
涙で解決できることは何も無い
凍り凍りつく明日を壊すんだ
どうしても無くしたくないものばかりなんだ
運命の先にあなたを見つけた
もう涙に意味なんかないんだよ
出典: アイデンティティ/作詞:秋山黄色 作曲:秋山黄色