束の間の再会があっても元の生活へ戻るふたり。

それでも一緒にいる間は彼の笑顔を見ていたいという女性心理。

思いやりや優しい気遣いを感じるラインでもあります。

松任谷由実というひとはいつも快活な印象です。

そして周囲のひとへの細かな気配りなどもできるひとなのではとこのラインを読んで感じ入ります。

幸せになるための選択

選択の積み重ねが人生

明日になれば あなたのことは
もう 思い出さないでしょう
私にとって あなたにとって
もっと幸せになるために

出典: 幸せになるために/作詞:松任谷由実 作曲:松任谷由実

ふたたびサビです。

「幸せになるために」というテーマについて直截に触れられます。

やはり偶然の再会によっても昔のような恋人としての関係に戻ることはないようです。

ひとは千人いれば千人とも違う選択をします。

そのひとの人生がどうなっていくかはすべて選択という意志と行為に関わっている。

ひとというものはそのたびごとの選択によって人間としての自らの実存を証し立てるのです

幸せになるためにというテーマ

彼女は彼とはもう会うことはないとこころに誓います。

なぜか?

お互いにとって「幸せになるために」です。

ふたりにとって過去の恋愛は未来を照らすものではないのでしょう

努力して忘れたほどの大恋愛であっても、その点は変わらないのだと松任谷由実は歌います。

松任谷由実が確信を持って歌う

恋愛がひとを成長させる

この歌のラストは1回目のサビのリフレインです。

クライマックスに向かういまではこの歌詞は力強い応援ソングのようにリスナーのこころに沁みていきます。

ここには彼と出会い、恋をしたからこそ、自分が成長できた事実がしっかりと刻まれています

想像力を養うこと

恋愛をするとひとは相手への思いやり、気遣いにつながる大事な想像力を養うことができます。

他者を思いやる想像力だけがひととひととを隔てる壁を打ち砕ける。

やさしさに還元できるような想像力を養うことはひととしての成長の第一の鍵です

恋愛にはひとを成長させて強くさせるチカラがあります。

松任谷由実の明確な意志

時を越えて再び出会ったふたり。

一緒にいる間は笑顔でいましょう。

そして明日にはお互いがお互いを忘れて、またそれぞれの日常に帰っていく。

それがふたりとも「幸せになるために」必要な選択

松任谷由実の意志は明確です。

切なくなりますが「幸せになるために」は仕方のないことなのでしょう。

恋愛を歌い続けた松任谷由実

ユーミンの軌跡

松任谷由実【幸せになるために】歌詞の意味を解説!幸せになるためにこうしてきた…時を越えた再会に涙の画像

松任谷由実は荒井由実としてデビューして以来、ずっと恋愛を歌い続けてきました

生まれた名曲は数知れません。

「ひこうき雲」「卒業写真」「翳りゆく部屋」「Hello,my friend」「春よ、来い」etc.

1972年のデビューから一貫して透徹した観察眼で綴る歌詞、親しみやすいメロディ。

松任谷正隆とタッグを組んでからのサウンド・プロダクションもいつまでも新鮮です。