楽しい1日だったのに、涙が止まらない理由は「あなた」と「あの子」の関係を知ってしまったからです。

片思いの相手である愛おしいあなたがいる世界にはもう戻れないと感じる「私」。

世界が変わるくらいの衝撃が読み取れます。

この日わかったくらいですから、それだけ好きな相手のことを見ていたなら本来はもっと前にわかりそうですよね。

しかし、今までわからなかった理由を「私」なりに自己分析しているのが次の歌詞です。

いつから二人はそんな甘い空気出すようになったの?気づかなかった真実

いつから二人はそんな甘い空気出すようになったの?
私いっつもあなた見てたのに 何も見えてなかったみたい
あなたばかり見てたせいで 視線の先に気付けないまま
なんて愚かなんだろう私

出典: https://twitter.com/chapi0710/status/745032649589166081

「あなた」と「あの子」が出す甘い空気に、二人の関係を悟った「私」は、なぜ「あなた」をいつも見ていたのに気づかなかったのだろうと自分を責めます。

原因は「あなたばかり見てたせいで視線の先に気づけないまま」だったということ。

つまり、あなたのことが好きすぎるあまり盲目になっていたのですね。

落ち込む「私」には、きっと「あなた」を好きになってからの二年間の間、たくさんチャンスがあったのでしょう。

もっと早く、「あなた」の目が「あの子」を追うようになる前に、想いを伝えておけば...!

後悔しても、「あなた」と「あの子」がゲレンデで二人楽しそうにしている光景が目の前に広がっている今、何をしても手遅れだということと自分の愚かさに為す術もないのでした。

分かってることはたったの二つ、でも、それが全てを物語っていて

分かってることはふたつ
あなたを思って眠れない夜に
あなたはあの子の夢を見てたってことと
あなたに似合うそのミサンガも
編んだのはあの子だってこと

出典: https://twitter.com/j_rock_songs/status/916575144256069632

「私」がこの日分かった二つのこと。

一つ目は、「私」が「あなた」を想っている間、「あなた」は「あの子」を想っていたということ。

二つ目は、「あなた」と「あの子」がお似合いのカップルだということ。

たった二つのことですが、それが「あなた」と「あの子」が両思いだということを物語っていて、それが全ての答えです。

二つ目は「ミサンガ」が似合っていると描かれているのですが、まず彼女が作ったものを身につけていることから二人がうまく行っているということ。

そして、「あなた」に似合う色合いや形状などであることから、お互いが理解しあっているということがわかってしまうというところから上記のように解釈しました。

ここまでくると、見なかったことにもできないですよね。

失恋の二文字が「私」にのしかかります。

もう遅いのは分かってるけど伝えたい想い

君の白い息が教えてくれた
あの子への想い忘れたいな
もう遅いのは分かってる
だけど、ねえ、はぐらかさないで聞いてよ

出典: https://twitter.com/luv_koi00/status/838702538056556545

ここでは「君」となっていますが、今まで歌詞に出てきた「あなた」と同じ人物ですね。

「君」との楽しい時間に胸を踊らせてきたはずなのに、わかったのは、「あの子」のことが好きだという「あの子への想い」です。

好きな人に好きな人がいた。

そのことは忘れたくても忘れることなんてできません。

そして、今までずっと大切に胸の中にしまっていた想いを、遅いのは分かっているのですが、また心の中で伝えるのでした。

今日がこんなに楽しかったのはあなたがいたから

今日がこんなに楽しかったのは
他でもないあなたがいたから
あの子もいたとしても だけどそれでも
きっと私の目に映るあなたの笑顔は
もう忘れない 忘れられない
優しいんだね でも涙は自分の手で拭くよ
昨日までの世界にはもう、戻れない

出典: https://twitter.com/jrock_bot_kashi/status/918021063174365184

「あなた」と「あの子」の関係を知っても、やっぱり今日は本当に楽しかった。

そして、楽しかったのは他でもないあなたがいたからです。

見える世界が変わってもやっぱり「あなた」の笑顔は忘れられないくらい眩しいもので、涙が止まらない私に、何があったのか予想もつかず、きっと心配したのでしょう。

泣いている「私」に「あなた」は何も知らずに手を差し伸べます。

しかし、「あなた」にはもう「あの子」がいると分かっている「私」は今までだったら何よりも幸せだったはずの瞬間をさりげなく払ったのでした。

「昨日までの世界にはもう、戻れない」という歌詞が、「私」の恋の終わりを静かに告げています。

歌詞の物語を再現した「君とゲレンデ」のMV

ここまで歌詞の解釈をしてきましたが、歌詞の意味を知った上でこのMVを見ると、より「君とゲレンデ」の物語がわかるはずです。

「君と夏フェス」のMVにも出演していた上原実矩さんの演技にも注目ですよ。