『×と○と罪と』について
レコードジャケットのビスマスの結晶がきれいですね。
ここで用語解説、スタジオ・アルバムとは?
スタジオ・アルバムとは、文字通り、録音スタジオで制作されたアルバムのことです。レコードとしては最も一般的な形態ですね。
バンドなどによっては一般の建物に録音機材を持ち込んで、録音・制作する場合もあります。そういうのは極めてまれですが・・・・・・。
スタジオ・アルバムにはリミックスなどは含まれません。したがって、オリジナル・アルバムと呼ばれることもあります。この場合はライブ・アルバムが対義語になります。
スタジオ・アルバムは現代のポピュラーアーティストにとっては中心となる著作物であることから、スタジオ・アルバム発表の後、コンサートを含むプロモーション・ツアーというのが通例となっていることが多いです。
アルバム『×と○と罪と』制作背景
大震災の影
前作のアルバム『絶体絶命』リリース(2011年3月9日)直後に東日本大震災(2011年3月11日)が発生しました。
そんなさなか、プロモーション・ツアーを開催し、被災地へ赴いたRADWIMPS。
メンバーの語るところによると、当時は被災地で過ごした時間が濃密過ぎたため、楽曲を作るなど、すぐに音楽活動を始めようという空気がメンバーになかったと語っています。
楽曲のターニングポイント
大震災から1年後の2012年3月11 日に『白日』を発表。その時初めてまた音楽活動を始めようと思えたと言います。再び立ち上がるには、1年の歳月を要したのです。
あの震災は、多くのアーティストに大きな影響を与えているのは確かですね。
現在休業中のメンバーであるドラマーの山口はこの時を振り返り、RADWIMPSは震災を受けて楽曲制作のスタンスが変わっていたと言います。
これまでのアルバム制作時にあった苦しい葛藤などとはまた別のところで、音楽と向き合えたとも語っているのです。
特別なアルバム
また、ボーカルの野田にとって、RADWIMPSは「自分の夢を追いかけることのできるバンド」であり、「どこまでも覚悟持って引っ張っていこうという気持ちが今までで一番強い」とも語っています。
それだからこそ、アルバム『×と○と罪と』は、今までのどのアルバムよりもメンバー4人で鳴らせる喜びが強いと感じているようです。
楽曲『いえない』について
作詞を手掛けたボーカルの野田に言わせると、この楽曲は相手に向けているようで自分に向けたラブソングだとか。
「今、君が死んでしまっても 構わない」という強烈なフレーズから始まりますが、実はこのフレーズ、「今、死んでしまってもいい」と感じているのは自分自身でもあるということらしいのです。死んで、「君」の記憶の中に「僕」を強烈に残したい、ということでしょうか。
以前から、「今、君が死んでしまっても 構わない」の詞とメロディーが一緒に浮かんでいて、そのフレーズが自分の中に常にあることに気付いてしまったので楽曲にした、とも語っているのです。