本間さんからの独り立ち
離れると言っても、ポルノグラフィティが自分たちだけの力でどれだけやれるかを確かめたいと決めたことで、決してネガティブな理由ではありません。
結果的にポルノグラフィティは、バンドとしての力が足りないことに気付かされ、上を目指して頑張ることができたわけですから、よい決断でしたね。
ポルノグラフィティにとって大きな分岐点となりました。
「ヴォイス」の歌詞を紹介
まだ見ぬ人を探す歌
僕の名前を呼ぶのは誰?
遠いようで近いようで
耳の奥から聞こえたようで
空からのようで
僕の事を知っているのかい?
そうだとしたら教えて
誰かをずっと探しているそんな気がするのだけれど
出典: ヴォイス/作詞:新藤晴一 作曲:本間昭光
「僕の名前を呼ぶのは誰?」いきなり、問いかけから始まるところがオシャレですね。まるで小説の一節を読んでいるようです。
しかもその声は「遠いようで近いようで」「耳の奥から聞こえたようで空からのようで」と、はっきりしません。
しかし、遠く(天)から聞こえたり、近く(自分)から聞こえたりするということは、目には見えない、運命的なものを歌っていると考えられます。
きっと誰かに逢いたくて逢いたくて逢いたくて
僕は此処にいるんだ ねぇそうだろ?
何処かで待つ人よ 出逢うべき人よ
君は確かにいる 感じる
出典: ヴォイス/作詞:新藤晴一 作曲:本間昭光
ここでサビの歌詞です。まだ出会っていないけれど「何処で待つ」と確信している誰かを求めて、「声」を頼りに会いに行くのですね。
「君は確かにいる 感じる」というのが、まさに運命的な出会いを連想させます。
元はひとつであるはずの心は離れて
平気なはずがないのさ ねぇそうだろ?
君に触れる以上 大切な事を
思いつかない だから行くのさ
出典: ヴォイス/作詞:新藤晴一 作曲:本間昭光
2番のサビでは、「元はひとつであるはずの心」と歌っています。何かとても大切な存在、自分の片割れと言ってもいい何かを見失い、それを探し求めているようです。
それほど、まだ見ぬ誰かが自分にとって大切な存在なのですね。
探し続ける理由を「君に触れる以上大切な事を思いつかない」と言っているところが印象的です。
星を数えるよりは容易く
雲の行方を知るより困難で
僕がそれを信じれるかどうかだ
左胸の声を聞け
出典: ヴォイス/作詞:新藤晴一 作曲:本間昭光
ここの歌詞は、見えない誰かを探す難しさを歌っています。
「星を数えるよりは容易く」「雲の行方を知るより困難で」という比較方法が晴一さんらしくて面白いです。
実際には、刻一刻と形を変える雲の行方を知ることもかなり困難だと思いますが、それでも雲の行方を知る方がまだ楽だと思えるほど、恋い焦がれているのでしょう。
でもさすがに、夜空に幾千と輝く星を数えるよりはたやいすいようです。だから諦めずに探す、という覚悟も感じられる歌詞ですね。
掴み所のない存在でも、それを自分が信じていればたどり着ける。まさに「左胸の声を」聞いて前に進んでいるのでしょう。
そうさ誰かに逢いたくて逢いたくて逢いたくて
僕は此処に来たんだ なぁそうだろ?
過去がくれたのはヴォイス 明日に導くヴォイス
君が近くにいる 届くよ
出典: ヴォイス/作詞:新藤晴一 作曲:本間昭光
そして最後は、「君が近くにいる 届くよ」と、もう声が届くところまでいきます。PVでも誰かを捜し歩くような映像になっていますが、運命の人を探すという、ドラマチックな曲なんですね。
「過去がくれたのはヴォイス 明日へ導くヴォイス」というのがまたかっこいいフレーズです。
1番とラストサビで登場する「此処」は、まるで運命に導かれるように探し歩いた末、たどり着いた場所なのかも知れません。
「ヴォイス」のPVがあるのでご紹介します。太陽の光が印象的で、曲の世界観とよくマッチしています。