『春風』のPVは、岡田結実と中村嘉惟人が出演したことで注目を集めています。

中村嘉惟人は「男劇団 青山表参道X」のメンバーで俳優として活躍する人物です。

女優・モデルとして活躍する岡田結実は、音楽のPVに出演するのはこれがはじめて。

彼女は以前から、FOMAREをインスタで紹介するなどファンであることを公言していました。それが彼女がはじめてPVに出演した理由かもしれませんね。

2人の恋人同士としての様子や岡田結実の切ない表情がこの曲の雰囲気を盛り上げています。

歌詞はこちら

『春風』のありきたりなラブソングとは異なった、本音が見える歌詞を紹介します。ぜひ、『春風』をより楽しむための参考にしてみてください。

2人の思いを吹き飛ばしていく

春の風が揺ら揺らと2人の思いを吹き飛ばしていく
溢れた感情は誰の元へ消えて 行くのかな
知らない誰かがそれを幸せと呼んでいるのかな

出典: 春風/作詞:アマダシンスケ 作曲:アマダシンスケ

『春風』というタイトルだけ見ると、希望や明るい雰囲気を想像するでしょう。春は新たな出会いや別れの季節ですよね。

しかし、FOMAREの『春風』は「2人の思いを吹き飛ばし」ていくのです。そして、終わってしまった恋に対する想いの行き先を案じています。

いま僕が空になったら雨という 涙は 堪えるだろう
懲らしめて傷付いたあの日も愛しく思えるのに
また時間を無駄に使ってしまった

出典: 春風/作詞:アマダシンスケ 作曲:アマダシンスケ

風が吹くその上には、広い空が広がっていますよね。自分がその「空」になったら、「雨という涙」は堪えると言っています。

傷つけてしまった悲しい日も愛しく感じているのに、「時間を無駄」に使ってしまったとなげいています。

「そのような時間も無駄ではなかった」という歌詞はよく見かけますが、本音を吐き出すような「無駄」という歌詞は斬新です。

失って気付く

失って気付くんだよこれからも僕は日々時間を
踏み殺して溢れた後悔をまだ無駄にしてる 後悔を

出典: 春風/作詞:アマダシンスケ 作曲:アマダシンスケ

無駄だと感じるのは、いつも「失って気付く」からなのです。そして、これからも自分はこのような「後悔」を無駄にしていくのだろうと感じています。

頭でわかっていても、同じことを繰り返してしまうことはありますよね。

今 僕が空になったら雨という涙は堪えるだろう
懲らしめて傷付けた何度もやり直したりもした
殴り書いた 時間 燃やしてしまおうか

出典: 春風/作詞:アマダシンスケ 作曲:アマダシンスケ

お互いに傷つきながらも、「何度もやり直した」こともあるのです。

しかし、その時間は「殴り書いた」ように荒れたものになってしまい、上手くいかなかったのかもしれません。

あるいは、そのようなことをせずに思い出がきれいなままで別れていたら良かったのにと感じているのでしょう。

そのため、その時間を「燃やしてしまおうか」と考えているのです。

全てを忘れてしまおう

いま僕が空になったら雨という涙は堪えるだろう
懲らしめて 傷付いたあの日も愛しく思えるのに
また時間に逆らい嘘をついて

出典: 春風/作詞:アマダシンスケ 作曲:アマダシンスケ

時間は限りあるものです。そして、時間は不可逆なもので、決して過去に戻ることはできません。

その「時間に逆らい」、自分の後悔などに嘘をついて同じように誰かを好きになるのだろうと感じているのだと思います。

今僕が向かう場所にもう君は居なくて
涙も流す意味はもう一つもなくて
悲しめて苦しめた 灰になった
日々とこの歌を乗せた風で
全てを忘れてしまおう

出典: 春風/作詞:アマダシンスケ 作曲:アマダシンスケ

自分がこれから向かう場所には、君はいません。前に進もうと考えた時に、過去となった君に「涙も流す意味」はもうないと感じています。

もしかすると、そのように思わなければつらくて進むことができないのかもしれません。

2人で過ごしたきらきらと輝いた日々は、悲しみや苦しみによって「灰になった」と言っています。

そのように「灰になった」日々とこの歌すらも風に乗せて、「全てを忘れてしまおう」としているのです。

自分の中でどうすることもできず、忘れてしまうしかないと感じる時もありますよね。

それをきれいごとを言わずに素直に歌っているところが、この曲の最大の魅力ではないでしょうか。