没後20年

【HURRY GO ROUND/hide with Spread Beaver】歌詞を徹底解釈!!の画像

未だ人気は衰えず

2018年現在、hideさんが亡くなられて20年経ちます。

hideさんは「X LAPAN」のギタリストとしてメジャーデビュー。

バンド解散後はソロ作をコンスタントに発表していました。

皆さんも当時、彼の突然すぎる死に開いた口が塞がらなかったのではないでしょうか?

当時学生だった筆者も、しばらくショックでした。

hideさんのカリスマ性は亡くなった後も健在です。

さて、今回紹介する『HURRY GO ROUND』はhideさん最後のシングル曲です。

EYE LOVE YOU』や『ピンクスパイダー』など、ただのポップスで終わらない作品を作る彼。

『HURRY GO ROUND』もそんな曲の一つです。

まずはこの曲の「You Tube」公式動画をご覧ください。 

『HURRY GO ROUND』MV

貴重な楽屋裏も撮影!!

いかがでしたでしょうか?

hideさんとSpread Beaverの楽屋裏が映っていますね。

そして男の子と老人

この2人はいったいどんな人物なんでしょうか?

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輪廻転生を描く

タイトルの『HURRY GO ROUND』は日本語にすると「輪廻転生」だと思います。

この世に生まれて、人生を生き、そして死ぬ。

しかし次世代の人生が絶えず待っている。

MVに登場する少年と老人は同人物です。

ただ、生きた時間が違うだけ。

少年は無垢な瞳を老人に向けますが、老人は感慨深げに少年を見ます。

おそらくこの老人が、自身の少年時代を回顧しているのでしょう。

老人は穏やかなのですが、ときに儚げな表情をしていますね。

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歌詞解説

Aメロ

狂い咲く季節が
止めど無く溢れる
また いつかと同じ
繰り返す戯れ

蔦の葉密やかに
根を広げた頃に
目に映る景色は
音も無く過ぎ去る

出典: HURRY GO ROUND/作詞:hide 作曲:hide

この曲の主人公は、MVに登場した老人でしょうか?

それともhideさん自身でしょうか?

おそらくhideさんが自分の少年時代と将来を、この2人に投影しているのだと思います。

歌詞の語り手は、hideさんと老人というところでしょう。

歌詞は詩的で、いつものようなhideさんのブラックユーモアは影を潜めています。

狂い咲く季節」とはいつを指すのでしょう?

おそらく決まった季節はなく、hideさん自身の心象風景だと思います。

また、文字通りの「季節」なのではなく、一つの動詞としてとらえると、また違った意味が出てきそうです。

「狂い咲く」という言葉から、筆者は映画狂い咲きサンダーロード』を思い出しました。

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次の『蔦(つた)の葉』という言葉も、文字通りの意味ではないと思います。

蔦が根を広げる」というのは、人々の生きている想念が「広がる」ことなのではないでしょうか?

まだすべての歌詞を見たわけではありません。

しかしこの曲はまぎれもなく「人生そのもの」を歌った歌です。

そして、「いつもと同じ」く時が過ぎ去り、「音も無く」ただそれを見つめる。

まさしく人生そのものを描いています。

人生はそんなに良いものでもないし、悪いものでもないよ、というhideさんの声が聞こえてきそうですね。

まるで古典『平家物語』に出てくる思想「諸行無常」のように達観したメッセージです。

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Bメロ