何処か 彼方を目指し
過ぎた記憶 足蹴に
悲しい訳じゃなく
でも 嬉しくもない
出典: HURRY GO ROUND/作詞:hide 作曲:hide
ここではこの曲のテーマである「輪廻転生」、「諸行無常」がはっきりと示されます。
過去の記憶を無くしても悲しくもなく嬉しくもないという主人公。
それはネガティブな表現ではなく、人間ならば必然の感情だと思います。
絶えず明日はやってきますし、いつまでも過去にしがみついていたら人間は生きていけなくなるでしょう。
かといってポジティブな表現でもないですね。
「ただ存在する」といったようなクールな表現になっています。
Aメロ(2回目)
束の間に意味など
知り得る術も無く
ただ 鮮やかさだけ
昨日に駆け抜けた
出典: HURRY GO ROUND/作詞:hide 作曲:hide
2回目のAメロも抽象的な表現が続きます。
生きている一瞬一瞬に深い意味はない。
ここだけ取ればシニカルなセリフになります。
ただ次の「鮮やかさ」という言葉。
この言葉の意味は何なんでしょうか?
筆者は「記憶に残る出来事」だと思います。
例えば今日、自転車に乗っていたら可愛い女の子とすれ違ったとか。
まったくの他人から善行されたとか。
人生におけるほんの一瞬のささいな出来事が鮮やかさという言葉に集約されていると思います。
Bメロ(2回目)
まるで 回るMerry-go-round
痛み忘れ巡り行く
まだ たどり着く場所
見当たらず進む
出典: HURRY GO ROUND/作詞:hide 作曲:hide
タイトルにもある「Hurry-go-round」。
hideさんは最初の単語だけ「Hurry」に変えています。
「Merry」と「Hurry」をかけたんですね。
「Hurry」を日本語にすると「急ぐ」。
ここまでくると、タイトルの意味が分かってきますね。
人生はあっという間に過ぎる「Merry go round」のよう。
その刹那に、思い出深い出来事がある。
でも過去にすがっては生きられない。
こうとらえると少し悲しい気分になります。
人生の応援歌
サビ
蔦は絡まり 身は朽ち果てて
思い出の欠片 土に帰り
また 花となるでしょう
Like a merry-go-round & round
また春に会いましょう
出典: HURRY GO ROUND/作詞:hide 作曲:hide
いつかは死ぬときが来る。
それでも人間は精一杯生きる。
そして灰となる。
人間ばかりでなはく、動物や植物、生きとし生けるものすべてがそうです。
ただそれで終わりではありません。
土に還ったあと、灰が養分となりまた花を咲かせます。
人間も、次世代へと生命を引き継ぎます。
あっという間に過ぎゆく人生ですが、悪いことばかりではありません。
未来に希望を託せるからです。
「また春に会いましょう」という印象的な挨拶でサビは終わります。
春はすべての命が芽生える季節。
とても象徴的な歌詞ですね。
4拍子から3拍子へ
1番目が終了した後、間奏に入ります。
その間奏中に曲のリズムが4拍子から3拍子へと変わります。
人生という名のダンスをワルツのリズムで軽やかに駆け抜けたいという、hideさんの願望がそうさせたのかもしれません。
3拍子にするだけでこの曲のテーマの「回る」という感覚が、より一層引き立てられてきますね。
このあたりのテクニックも見逃せません!!