2番の歌詞をチェック
時間には限りがある
触れることのできるこの時間も
いつかは終わる
出典: やさしいままで/作詞:安部勇磨 作曲:安部勇磨
映画のストーリーをご存知の方なら、ものすごく優しい表現の歌詞になっていることに気づくでしょう。
形あるものはいつか朽ち果てる定め。
どれほど愛し合っている恋人同士でも、お互いの温もりを感じることができるのは限られた間だけです。
あまりにも普遍的な真理ですが、さり気ない言葉遣いで、映画の核心を突くような歌詞になっています。
何事にも限りがあることは誰しも知っているわけです。
ところが実際に日々、有限を意識しているかというとそうとも限りません。
後から気がつく場合も多く、その時には優しさだけが残っていた。
そんなイメージではないでしょうか。
全肯定の境地
嫌だったとこも
好きだったとこも
全部よかったな
出典: やさしいままで/作詞:安部勇磨 作曲:安部勇磨
喧嘩するほど仲がいいとも言いますし、親しい間柄だからこそ気づく欠点やクセもあるものです。
一緒にいた時はお互いに憎まれ口を叩いたことがあったのかもしれません。
ところが離れてみると、すべては良い思い出に昇華されたようです。
むしろ大変だった出来事こそ肯定したくなる心境に達したのでしょう。
それほど主人公にとって恋人が大きな存在だったことが伝わってきます。
ただ、2人が離れることになった理由は具体的には描かれていません。
その辺りは映画におまかせという可能性も考えられます。
ラストの歌詞はこちら
離れた理由は明かされない
今日はなんでかな そんなことを
考えてしまった
出典: やさしいままで/作詞:安部勇磨 作曲:安部勇磨
目の前にいない恋人のことを思い出した理由も、なぜ2人が離れたのかもこの曲では明らかになりません。
そこは映画を観てほしいという、安部勇磨さんの優しい思いやり。
そんな意味もタイトルに含まれていると深読みできるところもいいですね。
実際「ロマンスドール」を観ると恋人の「硬くない部分」の謎も解けます。
ただ、映画のタイトルだけでも想像できることはあるでしょう。
ほんの少しだけ映画の概要に触れますが、よろしいでしょうか。
知りたくない方は、以下を飛ばして次の項目へお進みくださいませ。
それでは参ります。
ロマンスとは恋愛や恋物語のこと。
ドールは人形です。
つまり高橋一生さんが演じる役柄、北村哲雄はラブドール職人ということ。
これだけで腑に落ちる部分もあれば、まだわからない部分もあるでしょう。
何が硬くないのかについては何となく察しがついたはずです。
そして、その辺りの表現が非常に優しい言葉遣いになっていた理由もわかったでしょう。
この曲では具体的な物語を描かないことにより、まだ映画を観ていない方も想像が膨らむ展開になっていました。
まさにタイトルどおりの優しさです。
辿り着いた果ての優しさ
言葉にしたのなら 簡単で困るな
大袈裟だよなんて
笑われてしまうだろうな
目を閉じたらいつも
そこにはあなたが
やさしいままでいるんだ
出典: やさしいままで/作詞:安部勇磨 作曲:安部勇磨
言葉遣いも非常に優しいこの曲。
主人公にとっては、かつての2人の日常が美しい思い出になっています。
その為、当事者の恋人にしてみると美化しすぎと感じるのでは?と想像しているイメージです。
それでも、離れた恋人の優しさばかりが思い出されるという結末でした。
どのような理由があったにせよ、主人公と恋人はもう会えないわけです。
もっとこうしておけば良かったといった後悔もあるのかもしれません。
様々な想いを抱えながらも、優しい記憶だけが残るところが切ないですね。
それでも涙に明け暮れる時期も過ぎ、穏やかな心境に達しているところが素敵な曲でした。