アルバム「潜潜話」に収録されているジャジーな一曲
2018年に突如現れた謎多きアーティスト、ずっと真夜中でいいのに。(通称ずとまよ)
ACAねさんが作り出す独特な歌詞や音楽、透明感のある歌声にハマるファンが続出しています。
今回はそんなずとまよの楽曲「蹴っ飛ばした毛布」について紹介していきましょう。
「蹴っ飛ばした毛布」だけの配信リリースもしており、ずとまよファン必聴の一曲となっています。
ジャズをふんだんに取り入れた大人っぽい雰囲気のサウンドや、ACAねさんの力強い歌声が特徴的なこの楽曲。
他に聴いたことがない独特な転調の仕方や、途中でガラリと変わる雰囲気は、非常に中毒性がありますよ!
前作「正義」と共通点があるMVをチェック!
ずとまよファンの方ならお気づきかもしれませんがこの楽曲のMVと、前作「正義」のMVは共通点がたくさんあります。
まず、MVのイラストを描いているイラストレーターが同じで、どちらも革蝉さんという方が制作しています。
そして「正義」のMVで主人公だった女の子が「蹴っ飛ばした毛布」のMVでも引き続き主人公として登場するのです。
また、首のない謎の人物が登場するというのも大きな共通点といえるでしょう。
そのため「蹴っ飛ばした毛布」は「正義」で描かれていた物語の続編なのではないか?と考えている人が多いようです。
上記の動画でぜひ「蹴っ飛ばした毛布」のMVをチェックして「正義」との共通点を確認してみてください!
主人公が「君」に伝えたいことを読み解く!
それでは「蹴っ飛ばした毛布」の歌詞の内容を詳しく見ていきましょう。
この歌詞に登場するのは「私」と「君」の2人だけです。
主人公である「私」は一体どんな悲しみを抱いているのか。
この2人はどのような関係性なのか。
「君」に対してどんなメッセージを伝えようとしているのか。
歌詞を紹介しながら、主人公の気持ちを探ってみたいと思います。
1番の歌詞
どんなに楽しい映画だったとしても…
要らないよ 食べかけの借りた映画も
忘れたいよ 自分のものでしかない約束も
出典: 蹴っ飛ばした毛布/作詞:ACAね 作曲:ACAね
前作である「正義」では、大切な人を失った悲しみや別れをテーマにしていました。
一方「蹴っ飛ばした毛布」でも同じく、大切な人を失った悲しみについて歌っているようです。
「食べかけ~」とは、以前君と一緒に観た映画、もしくは君から借りていた映画(のDVD)のことを指しているのでしょう。
どんなに興味のある映画でも、大好きな君と一緒に観られないなら要らないのです。
そして、主人公は君と別れる前に、何らかの約束をしていたのでしょう。
しかし、約束を達成する前に2人は別れを迎えてしまいました。
その約束のことを「自分の~」と表現しているのだと思います。
君との思い出を忘れたくない主人公
求めすぎた 勇気なんて捨てたいや
待ちくたびれた 久しぶりだねって言えた覚悟
どうか思い出になんかしないで
出典: 蹴っ飛ばした毛布/作詞:ACAね 作曲:ACAね
君との再会を求めてもその願いが叶うことはないし、久しぶりだね!と言い合うこともできないのです。
それでも、主人公は君との思い出を忘れることができなくて、苦しんでいるのでしょう。
大切な君との思い出が、色あせて遠い過去の出来事になってしまうことを恐れているようにも見えます。
「蹴っ飛ばした毛布」は何の例え?
蹴っ飛ばした毛布
気配を探してる癖がついて
出典: 蹴っ飛ばした毛布/作詞:ACAね 作曲:ACAね
ここで登場する「蹴っ飛ばした毛布」とは、君が主人公にくれた優しさを表現しているのでしょう。
君がくれる優しさを暑苦しいと感じてしまって避けることもあった主人公。
でも、君がいなくなってしまった今、その優しさが恋しくて求めてしまっているのだと思います。
本当に大切なものは失ってから気づくものなのかもしれません。