SiMの内面をえぐり出す『The Sound Of Breath』をピックアップ!

SiM【The Sound Of Breath】歌詞解釈!ドラマ性に焦点を当てた?未知へ飛び込もう!の画像

レゲエパンクというジャンルを確立させたバンドSiM

アリーナクラスのライブチケットが即日完売になるほどのモンスターバンドとなっても、勢いは衰えません。

今回ご紹介する『The Sound Of Breath』人気ゲーム「龍が如く 極2」のエンディングテーマ。

極道同士の抗争ゲームというイメージがありますが、実はドラマティックなストーリーこそがこのゲームの魅力です。

『The Sound Of Breath』の歌詞には、ボーカル・MAHが思う「龍が如く」のドラマが反映されています。

SINGLE【A / The Sound Of Breath】
1. A 〈『龍が如く 極2』 テーマ曲〉
2. The Sound Of Breath 〈『龍が如く 極2』 エンディング曲〉

出典: https://sxixm.com/discography/

MVもドラマティック!

広い荒野で演奏するSiMと、狭い夜空の下の女性の対比が印象的なMVです。

この映像にも、何らかのドラマが隠れていそうですね!

歌詞の内容とつながりがあるのでしょうか。

『The Sound Of Breath』歌詞の意味を紐解いてみましょう。

何のために生きるのか

生きる意味を常に考えながら生きている人は、そう多くありません。

しかし人間は極限状態に置かれると、生きる意味を見つけて生き延びようとするのでしょうか。

どちらも壮大な「タラレバ」

if the world could fit in my palm
it would be easy to keep it calm
if I can hold you in my arms, ah ah
it would be easy to make my resolution firm

出典: The Sound Of Breath/作詞:MAH 作曲:SiM

和訳

もし世界が俺の手中に収まったなら

世界の平静を保つことなんて簡単さ

もしお前が俺の腕に抱かれてくれたら

俺の決意を固めることなんて簡単さ

【考察】

「if」から始まる似たような二つの文章が並んでいます。

一つ目は「タラレバ」の話だとしても実現するのは難しいでしょう。

世界を掌握することも平和を維持することも簡単ではないからこそ、未だに世界中で混乱が絶えません。

それを容易いことだと歌っているのです。

もう一つの「タラレバ」の方が現実的ですね。

ではなぜこの二つを並べ、どちらも「簡単」だと歌ったのでしょうか。

実はこの曲の主人公「俺」にとって、どちらも同じぐらい困難なことなのです。

つまり、「君」は自分の想いに応えてくれず、「君」の後押し無しでは前に進めないと歌っているのでしょう。

彼女のせいで彼の行動が変わってしまう?

“いつ迄もこのままで居たいなら 立ち止まって目を閉じていればいい”
君さ それすらさせてくれないのは

出典: The Sound Of Breath/作詞:MAH 作曲:SiM

彼はきっと、波風が立たない平和な日常を望んでいるのでしょう。

「龍が如く」では極道から足を洗った主人公が、望みもしない後継者争いに巻き込まれていくというシナリオがあります。

この状況に似ていますね。

平穏な日々を過ごしていても、視野の片隅にチラつくのが抗争の影。見ないふりができない男なのでしょう。

見えないように目を背けることもできないのです。

だったら、いっそのこと何も見なければいいのだと彼女は助言します。

もう自分には無関係だから関わらない、という意志と態度を貫けば良いだけなのです。

それなのに無視「できない」ではなく「させてくれない」。どういうことでしょうか。

目を離した瞬間、彼女の身に危険が及ぶことを恐れているのだと考えられます。

ゲーム内では主人公の恋愛が描かれており、その相手は何と宿敵の妹なのです。

自分が何もせずに静観していれば、そのうち彼女が危険な目に遭うかもしれない

それを危惧しているのではないでしょうか。

いつ死んでも後悔がないように

“嗚呼、生き抜く今にも意味を”oh oh oh oh
“息吐く暇もないのでしょう?”

出典: The Sound Of Breath/作詞:MAH 作曲:SiM

目まぐるしく状況が変わる中、彼は抗争を収めようとあちこちに奔走しているのかもしれません。

あるいは早期に決着をつけようと自ら争いに飛び込もうとしている可能性もありますね。

スキを見せれば付け狙われるからといって、常に気を張っている彼

いつ狙撃されて命が尽きるか分からない土俵にいることは自分自身も、そして彼女も認識しているのでしょう。

いつ何が起きるか分からないのが人生です。

今自分は何のために行動しているのか、誰のために生きているのか。

常に意味を求めながら生きていれば、人生を一瞬たりとも無駄にせずに済むのかもしれません。