「Love On Top」が伝える愛

ビヨンセ【Love On Top】歌詞を和訳して解釈!陶酔してるだけじゃない?涙の先に見える価値とはの画像

2011年6月24日発表、ビヨンセの通算4作目のスタジオ・アルバム4」。

このアルバムからシングル・カットされた「Love On Top」について解説いたします。

とにかく目まぐるしく転調を繰り返すサウンドに誰もが驚愕しました。

こうした難曲を造作なく歌い上げるビヨンセのシンガーとしての資質の高さが素晴らしいです。

1970年代、1980年代のブラック・ミュージックのテイストを前面に押し出しました。

歌詞の方も愛の素晴らしさを強調するもので、とても微笑ましい内容になっています。

愛するあなたが私の愛をトップに押し上げてくれたという歌詞が鮮烈です。

アルバム「4」はビヨンセにしてはセールスを落としました。

しかしその理由が分からないほどに名曲がいっぱい詰まっています。

「Love On Top」もそうした楽曲のうちのひとつです。

この曲の歌詞和訳して独自な解釈をしてみます。

それでは早速、実際の歌詞を見ていきましょう。

黒人音楽へのリスペクト

ビヨンセ【Love On Top】歌詞を和訳して解釈!陶酔してるだけじゃない?涙の先に見える価値とはの画像

Bring the beat in

出典: Love On Top/作詞:The-Dream, Shea Taylor & Beyoncé 作曲:The-Dream, Shea Taylor & Beyoncé

「ビートをここにちょうだい」

掛け声のようなセリフです。

これからドラマが始まるから見ていてねという思いをリスナーに示します。

一方でビートへの執着を誇示するのが印象的でしょう。

この曲の肝心な部分は正統的な黒人音楽への回帰を志した点です。

ビヨンセ自身は偉大な黒人女性シンガーたちからインスパイアをたくさん得ています。

黒人音楽とポップスを融合してアップテンポナンバーの楽曲を歌い上げたアーティストたち。

彼、彼女たちへのリスペクトを前面に押し出した楽曲が「Love On Top」です。

ビヨンセはこの曲でソングライターとしての独創性よりも黒人音楽の伝統への回帰を示しました。

彼女の楽曲に新しさを求めたリスナーは残念がったかもしれません。

しかしアーティストは自身のルーツをいつまでも大切にして活動してゆきます。

この誰にでも安心して愛されるような楽曲もチャーミングでしょう。

この曲の歌詞の冒頭でビートをここへと願ったのも深い意味があることなのです。

先人の智慧を拝借したいという思い。

リスペクトの精神が滲み出ている箇所なのです。

星空とともに愛を育む

愛と星空の相乗効果

ビヨンセ【Love On Top】歌詞を和訳して解釈!陶酔してるだけじゃない?涙の先に見える価値とはの画像

Honey, honey
I can see the stars all the way from here
Can't you see the glow on the window pane?

出典: Love On Top/作詞:The-Dream, Shea Taylor & Beyoncé 作曲:The-Dream, Shea Taylor & Beyoncé

「ハニー、ねえ、ハニー

ここからずっと星が見えるわ

窓ガラスに星の輝きが見えないかしら?」

設定は夜のようです。

夜の窓辺でふたり語らうような風景を思い浮かべてください。

ロマンチックな瞬間です。

星を見るときの私たち人間の心持ちは童心に帰ったようになります。

大いなる宇宙の神秘を目の当たりにして心が弾むのでしょう。

窓ガラスに星の光が反射して見えるということは室内が暗いのかもしれません。

愛する人と一緒に星を見ることができる環境は素敵です。

都会の生活では中々見ることができない満天の星空。

環境が伴わないカップルはわざわざプラネタリウムに出かけて星を見ます。

プラネタリウムの人工の星であっても私たちは安らいだ気持ちを獲ることができるでしょう。

実際に天然の星々を見ることができたなら気分にもたらされる悦びはさらに大きく深いです。

まだ物語は始まったばかりですので先を見ていきましょう。

大人になったビヨンセ

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I can feel the sun whenever you're near
Every time you touch me, I just melt away

出典: Love On Top/作詞:The-Dream, Shea Taylor & Beyoncé 作曲:The-Dream, Shea Taylor & Beyoncé

「あなたがそばにいるときいつも私は太陽の温かみを感じることができるの

あなたが私に触れる度に 私はまさに溶けてしまいそうになるわ」

この曲のコンセプトは懐かしい黒人音楽へのリスペクトです。

いつもはスラング混じりに歌詞を紡いで物議を醸すビヨンセも大人しい愛を描きます。

ただし、理念で割り切るようなお行儀のいい愛ではありません。

これもまた黒人音楽への敬愛の念から肉感的な愛の姿を詩的に歌い上げるのです。

星空を見つめている夜であるけれどもあなたのそばはいつも太陽のように温かい。

実際にそばにいてあなたが私の身体に触れます。

その感触ひとつひとつに恍惚を覚えて温かさで身体が溶けそうな思いをするのです。

別れ際や修羅場を描くことも多いビヨンセ。

この「Love On Top」では何の不安もない愛の姿を描きます。

ひとえに愛の素晴らしさを歌い上げる讃歌になっているのです。

大人になったビヨンセの姿がここにあります。

愛する様式も大人のもの。

若いリスナーはこうした愛の姿に憧れる想いを抱くことでしょう。

涙の先には最高の愛

アッパーな愛の歌

ビヨンセ【Love On Top】歌詞を和訳して解釈!陶酔してるだけじゃない?涙の先に見える価値とはの画像

Now everybody asks me why I'm smiling out from ear to ear
(They say love hurts) But I know
(It's gonna take a little work) Oh

出典: Love On Top/作詞:The-Dream, Shea Taylor & Beyoncé 作曲:The-Dream, Shea Taylor & Beyoncé