体の中から出られない 体の外から入れない
足りなくても 余ってても 悲しくなっていく

出典: あかりちゃん/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

「体の中から出られない 体の外から入れない」という歌詞を引用しましたが、夏祭りの季節、つまり盆を待っているという歌詞もこの曲にはあり、「あかりちゃん」とは魂のことを擬人化して歌っているのがわかります。

1曲目と2曲目で導き出した命と心に対して、魂はどちらにも通じるワードですよね。

また、「あかりちゃん」という曲名からも、祭りを待っているという歌詞からも、子供のような穢れのない純粋な魂のイメージが読み取れます。

以上の3曲から考察すると、スピッツで歌われる「灯」には共通イメージがあり、それは純粋な魂であるといえます。

このことから、「スカーレット」の「赤い灯」も純粋な魂のことを歌っているものと解釈し、続きの歌詞を見ていきたいと思います。

スピッツのシングル「スカーレット」の歌詞に迫る!【CYCLE HIT】収録♪の画像

「コーヒーの渦」のような混沌とした世の中

乱れ飛ぶ声に かき消されて
コーヒーの渦に溶けそうでも
ゆらめく陽炎の 向こうから
君が手を伸ばしたら

出典: スカーレット/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

声を発しても、「乱れ飛ぶ」世間の「声」にかき消されて、真っ黒い「コーヒー」をかき混ぜた時に起こる渦の中に巻き込まれて見えなくなる砂糖のように、自分の意思など見えなくなって消えてしまいそうになっている姿が歌われています。

しかし、「ゆらめく陽炎」の向こうにいる「君」は別世界の存在のように清らかで、そんな「君」と接していると自分を取り戻すことができるのでした。

「抱きしめるだけで何もかも忘れていられる」

離さない 優しく
抱きしめるだけで
何もかも忘れていられるよ
ほこりまみれの街で

出典: スカーレット/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

「ほこりまみれ」と感じるような、汚いこともたくさん存在している街の中でも「君」を抱きしめていると、「何もかも忘れていられる」ということが歌われています。

「抱きしめる」という歌詞から、恋人のことを歌っているのかもしれません。

恋人でないにしても、「君」がどれだけ特別な存在かがわかりますね。

誰にも言えないけど、君になら

誰にも言えずに 夢見ていた
くずれ落ちそうな 言葉さえ
ありのまま すべて ぶつけても
君は微笑むかなあ

出典: スカーレット/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

「くずれ落ちそうな言葉」とはもしかしたら、今の世の中からしてみれば綺麗事と一掃されてしまうような「夢」かもしれません。

それでもこの世界とは全く違う穢れのない心を持った「君」になら話したいと思う気持ちが描かれています。

いつも優しく微笑んでくれる「君」。

「コーヒーの渦」のような世間に向かって発せば、角砂糖のように簡単に「くずれ落ち」てしまうような「言葉」でも、「君」には「ありのまま全てぶつけても」微笑んでくれるような気がするのでした。

守りたいのは「小さな赤い灯」、「君」の穢れのない無垢な魂

離さない このまま 時が流れても
ひとつだけ 小さな 赤い灯を
守り続けていくよ
喜び 悲しみ 心ゆがめても
寒がりな 二人を 暖めて
無邪気なままの熱で

出典: スカーレット/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

最初と同じ歌詞ですが、「赤い灯」の解釈が固まったので、今度は全て解釈ができますね。

「このまま時が流れても」この汚い「ほこりまみれ」の世界の中で、たった「ひとつだけ」輝いて見える「小さな赤い灯」のような穢れのない「君」の心を守っていくと言っているのです。

そして、生きていれば様々なことがあり、喜びがあれば、悲しみもあり、心が歪みそうになっても、心の奥底に子供のように純粋な魂を持ち続けていれば、その熱がまた二人の心を温めて元に戻してくれるということでしょう。

おわりに

スピッツのシングル「スカーレット」の歌詞に迫る!【CYCLE HIT】収録♪の画像

スピッツの「スカーレット」の歌詞解釈、いかがでしたか?

この曲もスピッツの曲らしく十人十色の解釈がある歌詞ですが、どんな解釈をしても、歌詞としては長い方ではないのに多くのことを語っている「スカーレット」という曲の凄さは感じてもらえるはずです。

「赤い灯」の解釈のところで紹介したスピッツの曲もいい曲なので、是非聴いてみてください。

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