不完全な愛を綴る歌
偽りの愛
ラヴィットはピノキオピーのアルバム「ラヴ」に収録されている楽曲。
タイトルの通り、愛をモチーフにした歌が収録されているアルバムです。
愛の形は人それぞれで、様々な視点から愛を語ることができます。
ラヴィットはその中でも、「偽りの愛」を歌っている1曲。
自分の好きという感情は、果たして本物なのか。
どこかで違うとわかっていても、辞めることのできない愛し方。
そんな不完全な愛に生きているその姿を、ウサギに例えて表現しています。
Tik Tokでも人気
ラヴィットはTikTokでも非常に人気。
ラヴィットの歌詞を使った動画は、2億回以上も再生されています。
この部分を、TikTokユーザーが好んで使っています。
歌詞も覚えやすいし、リズムも難しくありません。
リズムに乗りやすい曲が好まれるのが、TikTokの特徴。
そうした部分が、ユーザーの心を掴んでいると考えられます。
か弱いウサギ
ギャー けしからんすか 背に腹っすか 欲望がダンスしてる
アレも危険だし コレも危険 その分アガるシステム
よくある よくあるよって 自分を騙す トートロジー
一方通行の色恋 か弱いウサギになってしまった
出典: ラヴィット/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー
寂しがりな生き物
この曲の主人公は、か弱いウサギ。
ウサギといえば「寂しがり」というイメージの強い動物。
この世の中には、誰かに構って貰わなければ生きていけない人も多数います。
また、1人では生きて行けず、常に誰かから愛されたいと思う人も数多く存在しています。
そんな寂しがりな人を、曲中ではウサギと表現しています。
そういう人は自分が好きなものよりも、他の人が好きなものを好きになる傾向が。
そうすることで、他者との繋がりを得ているのです。
自分らしさを捨ててしまったウサギが、この物語の主人公となっています。
トートロジー
トートロジーとは、同語反復のこと。
ここでは「他者迎合はよくあること」という意味合いで使われています。
つまり、この主人公は「他者に迎合すること」と「よくあること」を同じ意味で使っています。
自分の生き方や愛し方は、そう簡単には変わらない。
他の人もそういう生き方をしているし、私だけが変なわけじゃない。
心の中では、そんな宙ぶらりんな生き方しかできないと諦めていると推察できます。
自分らしさを見つけるわけではなく、何となく周りに流されて生きていく。
ある意味悲しい生き方をしているのが、主人公のウサギなのです。
何となく感じている違和感
ピョンピョン また ピョンピョン 触って
ピョンピョン また ピョンピョン 盛って
ピョンピョン また ピョンピョンとやっちゃって
くりかえすの
ピョンピョン また ピョンピョン 触って
ピョンピョン また ピョンピョン 盛って
なんか違う… それでも
出典: ラヴィット/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー
主人公のウサギは周りに流されて生きていく中でも、違和感を覚えています。
周りが好きなものが、必ずしも自分の好きなものになるとは限りません。
違和感を覚えた時点で、それは自分の本当に好きなものではないのです。
しかし、それでもこの愛し方を捨てることはできない。
そうでなければ寂しくて生きていけないから。
寂しさを紛らわす為に、好きでないものを愛して生きていく。
たとえそれに違和感を持っても、愛よりも寂しさを優先する。
本当の愛の形を、このウサギはどこかで失ってしまったと言えます。