テレビアニメ「オルタンシア・サーガ」ED曲

「オルタンシア・サーガ」の始まりは、アプリとして幅広い世代に親しまれてきたRPGゲームです。
2015年の配信開始当初に「オルタンシア・サーガ -蒼の騎士団-」。
さらに2021年には、本作完結後のストーリーに当たる「オルタンシア・サーガ ゼロ」が開始されます。
アプリゲームのみならず、今回のアニメ化やコミック化なども果たし、ファンは増える一方!
ゲームをなかなかしない人や、まだプレイしたことのない人でも楽しめるのが今回のアニメ作品です。
短時間では楽しみ切れない「オルタンシア・サーガ」の世界観。
まずはアニメを楽しみ、理解を深めておくのも素敵ですね。
「オルタンシア・サーガ」の世界観
「オルタンシア・サーガ」は、「オルタンシア王国」とその周りの国々を巡る戦いの物語です。
オルタンシア王国の中ではもちろん、それぞれの国の中でもさまざまな想いが駆け巡ります。
どの国の兵士であろうとも、大切な人がいるのはみな同じ。
しかし、戦いが当たり前となった世界で、「守りたい人がいるから」と戦から身を引く人はいません。
ある冬の日、突如始まった大きな戦……。
それに伴って、人の心を利用する魔物も現れる始末。
主人公「アルフレッド・オーベル」は、従者の「マリユス・カステレード」を引き連れ戦いに挑みます。
しかしマリユスは、アルフレッドにも明かしていない大きな秘密を抱えていて……。
戦いの行く末だけでなく、キャラクターそれぞれの心情にも注目したい作品です。
「夜想と白昼夢」の世界観
「オルタンシア・サーガ」の世界観を壊さぬよう、繊細な言葉を選んで作られた「夜想と白昼夢」。
物語を見終えた後、余韻に浸りながら楽しめるため、エンディングテーマにピッタリです。
「夜想と白昼夢」の主人公も、自分の力ではどうしようもない現実に心を痛めています。
失って初めて、大切なものがあったことに気がつく……。
現代を生きる私たちにも、当てはまることです。
まるで女性の心を描き出すかのように、高音のメロディーが続く本作品。
MVに映っている女性もまた、自分を取り巻く大きな力におびえているのです。
当たり前の毎日が突如終わる
主人公にとっての「大事なもの」
どこまで歩こうと変わらない未来や
ありふれた昨日を嘆いた世界が
かけがえないものと気づくのでした
出典: 夜想と白昼夢/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
今生きているこの世界は、誰もが屈するほどの大きな力が渦巻いています。
自分1人の力で太刀打ちできるわけもなく、ただ無力な自分に嫌気が刺す毎日……。
たとえどんなに晴れた日でも、主人公の心はどんよりと曇ったままです。
この世界から逃げ出そうと懸命に足を動かしてみても、振り返れば変わらぬ街がそこにあるだけ。
未来は煙がかかったように白く、何も見えません。
「ああ、自分はこの世界から逃げることなどできないのだ」
そう悟り、元来た道を戻ってゆくのです。
昨日まで笑い合っていた仲間が、今日になればいなくなっている……。
そんな悲劇が当たり前にある日常で、心が休まる暇などありません。
仲間を想い、ただ涙したあの日でさえも、今考えれば大切な大切な1日だったのです。
今日と同じ明日などやってきません。
今日よりも良い明日も、やってきません。
主人公は悲しみの中で、生きることの大切さや今日という日の貴重さを学んでいきます。
絞りだすように紡がれる「失う」
いつだってそうだ 大事なものほど
失う
出典: 夜想と白昼夢/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
作品のタイトルにもなっている「オルタンシア」とは、フランス語でアジサイという意味があります。
そして、「サーガ」は物語という意味。
「オルタンシア王国」は、「アジサイの王国」という意味になります。
雨の降る中、透き通るような青いアジサイが揺れている……。
そんな美しい光景が、オルタンシア王国には広がっているのでしょう。
MVで主人公が抱えているアジサイの花束も、同じように青いものばかり。
それを「失う」ということは、「オルタンシア王国」が失われてしまう、という意味に感じられます。
主人公にとって、花束を握りしめるように強く、大切にしてきた母国。
たくさんの命が失われて、初めて大切だと気付いた故郷が今、失われようとしています。
大事な人、大事な国、たくさんのものを失った主人公は、何に心を委ねればいいのか途方に暮れています。
人間は1人では生きていけない……。
そう痛感したのも、すべてを大切にしてきたからこそなのです。
零れて反射した記憶の隙間
出典: 夜想と白昼夢/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
かけがえのない思い出たちは、いつ思い返してもキラキラと輝いています。
それは光り輝いているからではなく、主人公の涙を反射しているから。
ずっと我慢してきた感情が、ぽろぽろと零れてゆくのがわかります。
そんなとき、ふと思い出した「君」のこと……。
両手から零れ落ちる記憶の断片の中に、「君」を見つけたのです。
誰も助けてくれず、どうしようもない未来と1人で戦うつもりだった主人公。
しかし、頼るべき「君」の存在を今、思い出しました。
MVで、主人公の元にアルフレッドが駆け寄るように……。
もう来ないと思っていた未来を描き、主人公の中で時計が再び進み始めます。