とある「集団心理」をテーマに作られた楽曲
マルチクリエイターまふまふがボカロPとして作曲を手がけた「メリーバッドエンド」。
この曲、「共通の敵を作ってまとまる集団心理」がテーマとなっているそうです。
歌詞の中では集団で行われる「噂話」や「仲間はずれ」が語られています。
歌全体としては終始怪しげな雰囲気をまとい、サビはまふまふらしい疾走感で駆け抜ける展開。
独特なサウンドが魅力
初音ミクの「あはははは」と高笑いするフレーズには「ゾッ」とするはずですよ。
また、初音ミクのあらゆる種類の声が使い分けられ、とても表現力豊かなのが特徴的。
まるで初音ミクが生きているかのようなリアル感が出ています。
そして、伴奏も注目ポイント。
不協和音にも近いギリギリな音で攻めるサウンドがクセになる…。
挑戦的な音がぶつかることなく、曲の中でひしめき合っているのがなんとも絶妙です。
不気味な雰囲気が漂うMVをチェック

まず、「匿名希望」という文字で目を隠した少女が現れ、始まるところにインパクトがありますね。
先ほどお話しした怪しげな雰囲気の部分では黒と赤を基調とした色彩。
爽やかなサビでは色彩が鮮やかになるのですが、顔に不気味な手がまとわりついていますね。
人が人形のようなデザインのため、より独特な雰囲気をかもしだしているのかもしれません。
そして、のっぺらぼう達が手を繋いでいる様子や、花飾りで首を吊ろうとしている姿…。
パッと見たとき、これらが非常に印象的に感じました。
それでは本題の歌詞にも迫りましょう!
誹謗中傷は言葉の「凶器」
匿名で行われる誹謗中傷
嫌いを100と40字 カギ付きの心 言葉のナイフ
泣き言で着飾って お化粧は大層綺麗だろうな
出典: メリーバッドエンド/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
100字と40字を足すと140字。
これは楽曲がリリースされた時のTwitterで打てる文字の最大値です。
閲覧制限をかけたいわゆる「鍵アカ」での誹謗ツイートを表現しているようですね。
自分だとバレない「匿名」状態で憂さ晴らしをしているのでしょう。
見えないところで色々書き込まれている人は、堪ったものじゃありませんよね。
そして最後の行にも注目です。
おそらく、見た目を綺麗に取り繕っても心は歪んでいるという意味だと思われます。
見えないところで発散しているということは、裏を返せば普段ひた隠しにしているということ。
表の顔と裏の顔のギャップを皮肉に歌っています。
楽し気に凶器を受け渡しているに等しい
あやとりをしましょうか 赤い糸に隠れるピアノの線
貴方はもう共犯者 手に取った凶器の
言い訳をどうぞ
出典: メリーバッドエンド/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
これはおそらく比喩。
複数人であやとりをする時、次々と手から糸を取って形作りますね?
ですがその糸に凶器ともなる「ピアノ線」が紛れ込んでいます。
誰かの悪口や誹謗といった噂話…その話に乗った時点であなたも共犯者。
そんな意味が込められているのだと思います。
そして冒頭で誹謗などの言葉は「ナイフ」に例えられていました。
楽しそうに喋っているつもりでも、それは凶器の受け渡しをしているのと一緒。
集団心理が働くと罪悪感は薄れる傾向にある…ということも表現している気がしますね。