『ウォーリーヒーロー』について
メジャー1stアルバム『DOPPEL』収録
中毒性の高い楽曲で人気を集める日本の4人組ロックバンドKANA-BOON。
そんな彼らのメジャー1stアルバム『DOPPEL』に収録されている楽曲が、今回紹介する『ウォーリーヒーロー』です。
この『DOPPEL』というタイトルには、過去の彼らとメジャーデビューした彼らという2つの意味があると語っています。
『ウォーリーヒーロー』と『1.2. step to you』はMVが制作されました。この2曲は、アルバムのリード曲と言える存在だと思います。
世の中に警鐘を鳴らすメッセージソング
『ウォーリーヒーロー』はグルーブ感溢れるロックサウンドで、聴いていて心地よいグルーヴが感じられます。
それとは裏腹に、歌詞は現代の世の中に警鐘を鳴らす辛辣なものです。
『ウォーリーヒーロー』について、作詞・作曲を担当した谷口鮪ははじめての「メッセージソング」であると語っています。
そのような楽曲の内容と合わせて、MVもとてもショッキングな内容です。
この曲は楽しい瞬間だけでなく、その一歩先を見ないと未来がないのではないかという問題提起がなされています。
歌詞の意味を解説
次に、谷口鮪自身が「メッセージソング」であると語る『ウォーリーヒーロー』の気になる歌詞の意味について解説します。
SOSを出すべき
「絡まって動けなくなって」 それならそのステップでSOS出して
心蝕んでる
ギラギラした明日の正体は いつだって孤独なんだって
出典: ウォーリーヒーロー/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪
さみしくて考えすぎて「動けなくなって」いるのなら、その段階で「SOS」を出すべきだと言っています。
しかし、それを誰にも伝えることができなくて、「心蝕んで」いる状態です。
「ギラギラ」した楽しげで誘惑するような「明日の正体」は、変わらずに孤独でしょう。そのような表面上は楽しそうなことに、自分が求めている答えなどないのです。
消費されていく
それなんて名前なんだっけ? 模倣して二番煎じだっけ?
あれなんて名前なんだっけ? 摩耗して使い捨てです
出典: ウォーリーヒーロー/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪
音楽もそうですが、現代社会では新しいものが生まれてはあっという間に廃れていきます。
さまざなものがスーパーやコンビニで買える消耗品のように、消費されていくのが現実です。
その「名前」など覚えることもなく、「二番煎じ」と批判されることもあるでしょう。
これは、KANA-BOONが言われていることなのかもしれません。
どれだけ、オリジナリティがあったとしても、知ったような顔でカテゴライズしようとする人はいますよね。
そのように深く考えずに消費をしていると、自分自身も「摩耗して使い捨て」されると注意を促しています。
存在には意味がある
いつだって悲しくったって その存在の意味忘れないで
斬ったって銃で撃ったって、そうキリがないぜ
いつだって寂しくったって その現象の真理思い出して 想像してくれよ
出典: ウォーリーヒーロー/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪
孤独を感じて「悲しくったって」、その人の存在には意味があります。家族・友だち・恋人など、生きているだけでよろこんでくれる人は必ずいるでしょう。
「斬ったって銃で撃ったって」はゲームなどで、現実から逃げても「キリがない」と言っています。
「寂しく」思うという現象は「愛されたい」「人から求められたい」と願うから発生するのではないでしょうか。
そのような感情があるからこそ、他の人に思いやりが持てるのだと思います。それぞれが生きていることを「想像」することが大切なのです。
いつだって側に誰だっているような感覚ですが
だいたいそれは勘違い、妄想 想像以上にタチが悪いから麻痺してしまう
出典: ウォーリーヒーロー/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪