自らの生存確認?

息はしてるから大丈夫
僕はまだここで生きているから
君の声もまだ聞けるから
タバコを吸ってる僕を見て
あなたはどんな思いでいるんだい
教えてよ

出典: タバコ/作詞:アマダシンスケ 作曲:アマダシンスケ

煙を吸ったり吐いたりするのがタバコというもの。これが呼吸に似ているという解釈でしょう。

タバコを吸えば、必然的に煙として息を吐くことになるわけです。喫煙が呼吸の確認になる感じ。

非喫煙者ならしっかり分煙してほしいところですが、喫煙者にはそれなりの思いがあるようです。

FOMAREの「タバコ」という楽曲に関しては、喫煙者である僕の心情に寄り添ってみましょう。

タバコの煙を吐いていれば息をしている、どうにか生きているということ。自らの生存確認です。

裏を返すと生きた心地がしないほどの状態に陥っているのかもしれません。

具体的にどのような状況なのか?はわからないものの、切ない感情になっているイメージです。

ただどうやら現在も彼女と会話できている様子。ということは元カノではないのかもしれません。

年月を経て、喫煙について謝ることもなくなったけれど、彼女に心配してほしいのでしょうか。

何を待ってほしいの?

あなたは今ここにいる?

僕のこの息が止まった頃
この歌は誰が歌うかな
誰が愛してくれるかな
あなたは歌ってくれるかな
いつまで経っても
僕はここで歌っているよ
僕なりの僕で
あなたに歌を歌うから

ねぇ 僕は生きているよ
僕は生きてるよ
僕の声は聞こえているだろ?
聞いてるから
今ここにいるんだろ?
いつだって歌っていたいさそりゃ
僕を待っていてくれないか
僕なりの僕で歌を歌うから

出典: タバコ/作詞:アマダシンスケ 作曲:アマダシンスケ

歌詞に登場する「僕」と「あなた」の関係性は、あくまで具体的に説明されていません。

ただ「今ここに~」という表現が出てきます。このひと言によって二重の意味が強まりそうです。

ひとりの女性に捧げるラブソングでありながら、FOMAREのファンにも語りかけているということ。

特定の女性には「バンド活動に専念する時期だから待って!」というメッセージかもしれません。

何を待ってほしいの?という答えは、FOMAREファンの心情を考慮して、幸せにしておきましょう。

そしてFOMAREファンに対しては、たくさん歌い続けるからライブを待っていて!ということ。

何しろ「今ここにいるあなたに歌う」という歌詞で、ライブMVまで公開されたわけです。

ラブソングの形態をとりながら、ファンに対して歌っている……ということになるでしょう。

生きる限り歌う!

あなたに歌う!

息はしてるから大丈夫
僕はまだここで生きているから
君の声もまだ聞けるから
タバコを吸ってる僕を見る
そんなあなたを見ながら僕は
歌った

出典: タバコ/作詞:アマダシンスケ 作曲:アマダシンスケ

「タバコ」はFOMARE1枚目のシングル「stay with me」の収録曲です。

作詞されたアマダシンスケさんにとって様々な思いが交錯したタイミングだったかもしれません。

不安や葛藤が入り混じる状態とか、息つく暇もないくらい忙しかったとか。

もちろん個人的な話ではなく、創作の可能性もあります。

いずれにしても「タバコ→息→生きている」という自らの生存確認はできたわけです。

生きている限り、歌う!そんな熱いメッセージではないでしょうか。しかも、あなたに歌う!と。

ここはもう「タバコ」を聴いているあなたに向かって歌う!と解釈してしまいましょう。

優しさは嘘?

これは本当の話?

僕のこの息が止まった頃
この歌は誰が歌うかな
誰が愛してくれるかな
あなたは歌ってくれるかな
いつまで経っても
僕はここで歌っているよ
僕なりの僕で歌を歌うから

優しさも嘘だって
本当の事も歌うよ
僕なりの僕で
あなたに歌を歌うよ

出典: タバコ/作詞:アマダシンスケ 作曲:アマダシンスケ

どんなに悩みがあっても、とにかく生きていれば大丈夫!末永く愛される歌を歌う!という決意。

ただし、ストレートに歌う!と宣言する前に、本当に大丈夫?と確認しているわけです。

心配されたいというか愛されたいというか、そんな心情が吐露されることで切なさが生まれます。

さらに「優しさも~」という表現が気になるところです。心からの優しさ、嘘の優しさ……。

すべての優しさが嘘とは限らないと思われますが、なかには嘘の優しさもあるという話でしょう。

むしろ本気で優しくされたいのではないでしょうか。嘘の優しさに傷ついた経験があるとか……。

そのあたりは不明ですが「本当の事も~」とつながっています。

ただし「も」と入っているので、すべて本当とは言い切っていないことがわかります。

結果的に「タバコ」という歌が本当の話だったのか、創作だったのかはハッキリしません。

歌詞に登場したエピソードのなかにも、本当と嘘が混ざっている可能性があります。

それでも「僕なりの~歌うよ」の部分はまぎれもない本音だと思われます。

FOMAREの「タバコ」は今この記事を読んでいるあなたが歌い継げば、永遠の名曲になるでしょう。

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