心の中の小さなともしびは君が僕に語りかけてくれた言葉。
一言の挨拶。ほんの少しの笑顔かもしれません。
あるいは、一瞬目が合っただけなのかもしれません。
恋する人にはそれで十分なのです。
思い出の中の君の笑顔が心を暖かくしてくれます。
君が言った 君が言ったんだよ
慣れない笑顔も 無理した優しさも 全部 人生だ
出典: ファンタジック/作詞:井上苑子 n-buna 作曲:n-buna
普段の生活の中には、作り笑いすること、作り笑いが必要なこともあります。
本当はもっと自己中でいたい時、どんな相手にも優しい自分でいなければいけない。
それを教えてくれたのは大好きな君だから、そういう自分でいようとしてしまう。
人生ってそういうものだよって。
小さな君の言葉も今の自分には大切な宝物です。
でも、それでよかったんだろうか。
君の言葉を何度も何度も思い出します。
夢のような春
春を待った ただ舞った花びらを 掬い取った
色付いてく 空の色に ずっと 見惚れていたこと
夢のようでした
出典: ファンタジック/作詞:井上苑子 n-buna 作曲:n-buna
「春を待つ」という言い方にはいろいろな意味が込められています。
例えば、志望校に合格することや就職が決まること。
受験や入社が3月から4月にかけてあるだけでなく、受験勉強や就職活動は冬の時代ともいうべき辛い時期。
辛い時期が過ぎ去って、夢が叶うことを春と呼ぶのもぴったりですね。
春になると、木々が緑に染まり次に蕾がつき花が咲きます。
空も明るくなり、青空は葉っぱの緑や花の色でますます明るくなります。
夢を見ているような美しさです。
思い出は消えない
忘れたいこと ばっかりで 君の顔が 見えない
目線より 高く積み上げた 想い出しか 見えない
出典: ファンタジック/作詞:井上苑子 n-buna 作曲:n-buna
幸せだったからこそ、今は思い出したくない、忘れたい。
なのに、君とのことは楽し過ぎて幸せすぎて忘れられない。
辛い気持ちが伝わってきます。
今はもう、君を見ることはないのに。
君との幸せな思い出がたくさんありすぎるよ。
忘れるには。消し去るには。
今の君をもう見ることはできないのに、なぜ幸せな思い出ばかりがこんなにたくさんあるんだろう。
僕の中にいる君
髪を切っても 恋心 冷めることさえ 知らないで
うな垂れた前髪の奥に また君が 散らつく
出典: ファンタジック/作詞:井上苑子 n-buna 作曲:n-buna
君を忘れる儀式のように、髪を切っても君を忘れることも嫌いになることもできません。
悲しくてうつむいてばかりいると、好きな人の姿ばかり思い出されます。
好きだと思う心は、自分の気持ちに関係なく湧き上がってくるものです。
思い出そうとしなくても「君」が目の前に何度も何度も現れることをどうすることもできないのです。
忘れようとすればするほど思い出してしまうこともあります。
ねぇ 一瞬の光を見たんだ あの日 君の目の奥で
出典: ファンタジック/作詞:井上苑子 n-buna 作曲:n-buna
とても印象的なフレーズです。
「君」は何かを伝えようとしたのかもしれません。
見逃しそうなほどの瞬間、君の目の中になにかのサインを見た。
あれはなんだったのでしょうか。
希望の光かそれとも…。
あまりにも一瞬すぎて、その光の意味を理解することも、尋ねることもできなったのでしょう。
だからこそ、いつまでも消えずに残ってしまうのです。
あの光の意味はなんだったのだろうかと考えてしまうのです。
失った恋を歌う
君を知った 春が舞ったんだよ
切ないも 愛も 憂いも この歌で 全部 言いたいよ
花が散って ただ落ちた花びらを 掬い取った
色付いていく その淡さに ずっと 君を重ねてる
出典: ファンタジック/作詞:井上苑子 n-buna 作曲:n-buna
春の情景が続いています。
このフレーズの春は、終わりかけている春です。
花びらは散り、それを手のひらですくいとります。
散った花びらは枝にあった時とは違っています。
雨に打たれ、風に吹かれ、地面に落ち、あるいは水面に落ちた花びら。
枝から地面、水面への短い旅は花びらを汚してしまいます。
枝にあった時のような美しさはもうありません。
その花びらをすくいとり、その姿に「君」を重ねる。
咲き誇っていた花も、今では淡い色になり手のひらの中でうづくまっています。