僕の想いも僕たちの思い出もほんとの気持ちも。総てを詰め込んだ”さくら”のうた。

KANA-BOONの春ソング「さくらのうた」の歌詞を紐解くの画像

『さくらのうた』は、【第6回CDショップ大賞2014】において、最優秀新人賞を受賞したインディーズミニアルバム「僕がCDを出したら」の最後に収録されています。

このミニアルバムがある種きっかけとなり、知名度はうなぎ登りとなり、KANA-BOONはメジャーデビューへ。

その翌年にリリースされたメジャーデビュー後2枚目となるシングル「結晶星」のカップリング曲として収録された『桜の詩』は、今回紹介する『さくらのうた』のアンサーソングとなっていますので、よかったら比較して聴いてみてはいかがでしょうか。

『さくらのうた』は男性目線で、『桜の詩』は女性目線で描かれているので、新たな発見があるかもしれません。

そちらは機会があれば、また詳しく書かせて頂きたいと思います。それでは、男の子の思いが詰まった歌詞を紐解いていきましょう!

この花よりも綺麗な花が目の前に咲いてる。なんてね。

KANA-BOONの春ソング「さくらのうた」の歌詞を紐解くの画像

さくらが好きだと君は言った

だけど僕は思うんだ。


「この花よりも綺麗な花が目の前に咲いてる」


なんてね。

ジョークの一つも言えずに僕は子供だった

情けなくなるなぁ

いつも口から出るのはメロディー

簡単な台詞も言い出せなくて

出典: さくらのうた/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪

1番冒頭の部分です。

突然君が放った言葉を聴いて、頭の中に浮かんできた、小っ恥ずかしいセリフ。

もちろん君に伝える事は出来るはずが無い。

子供な自分に意気消沈しながら、場を紛らわせる為に僕の口が放ったのは一つの鼻歌と口笛。

これが精一杯だった。

青春時代の蒼さが光る歌詞ですね。

10代の時って、女の子が大人びてくるのに対し、男の子はまだ少年が抜けない年頃ですよね。

カッコつけたいし、惚れさせたい。そう思っても、行動に起こす勇気が出なくて、なんとか誤魔化そうとする。

だいたい女の子はそれに気づいているけど、気づいてないフリをする。

切なく甘酸っぱい一節です。

KANA-BOONの春ソング「さくらのうた」の歌詞を紐解くの画像

国道沿いを歩いて君と歌った、

忘れられないや

僕の想いをそっと君に歌った、

さくらのうた

出典: さくらのうた/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪

1番のサビです。

君と並んで歩いた国道沿い。

ふたりで口ずさんださくらのうた。

歌に君への思いも乗せて。

君は気づいてたかなあ。

数多く存在するさくらに因んだ名曲を”さくらのうた”というざっくばらんな表現で、聴き手のイマジネーションに広がりを与えてくれます。

この若きふたりはどんなさくらのうたを口ずさんでいたのでしょう。

どの世代が聴いても、懐かしく感じる歌詞ですね。

ノートを開くと君の文字が声になって突き刺さる

借りたままの言葉を集めて曲にして君に返す


なんてね。

そんな才能の一つも持ち合わせていないんだけど

いつも口から出るのはメロディー

出来上がった頃にはもう遅くて

出典: さくらのうた/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪

2番の歌詞は、1番の歌詞以上に君への想いを募っているのがわかる部分です。

君に借りたノート。

勉強の為に開いていても、君の文字にドキドキして、全然頭に入らない。

開く度に強くなる想いをノートという青春らしい言葉を用い、キュンとさせてくれます。

言葉に出来ないから、メロディーに載せれば伝える事が出来ると思って、作り始めた歌が完成したときにはもうそこに君は居なかった。

僕の片思いが終わった瞬間です。

胸が締め付けられますね。

KANA-BOONの春ソング「さくらのうた」の歌詞を紐解くの画像

国道沿いを走って一人歌った、

忘れられない歌

僕たちだけの思い出つめこんだ、

さくらのうた

出典: さくらのうた/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪

2番のサビです。

ふたりで歩いた国道沿い。

今日からひとりで歩く。

君と一緒に歌った曲を忘れる事が出来なくて、僕ひとりで口ずさむ。

それは、他の誰でもない、僕たちだけのさくらのうた。

戻っておいでよ。僕だけのさくらの花よ。

KANA-BOONの春ソング「さくらのうた」の歌詞を紐解くの画像

なんで、どうして、おしえて、こたえて

僕は子供だった、もう戻れないのかなぁ

でもね、二人で見たあのさくらは今年も綺麗に咲いているんだよ


だから戻っておいでよ、僕だけのさくらの花よ。


国道沿いを走って僕は歌った

君を忘れないための歌

ほんとの僕の気持ちをつめこんだ、

さくらのうた

出典: さくらのうた/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪

ラスサビに向かうと、感情的な表現が沢山でてきます。

過去に戻ることだって、君にまた会うことなんて出来ないけど、子供過ぎた自分に苛立つ。

あのときの君の気持ちを聞かせてよ。

また戻って取り戻したい。

でも、あの日に見た桜は今も変わらず綺麗に咲いているんだよ。

そんな事を想いながら綴りながら、大声で歌うのは、君だけの為に贈る、さくらのうた