「ピースとハイライト」は、サザンオールスターズにとって54枚目のシングルです。2013年の発売当初は、社会情勢と相まって何かと話題にのぼった作品ですが、2017年の年の暮れが近づいてきた今、改めてその歌詞を紐解いてみたいと思います。
サザンオールスターズとは?
サザンオールスターズは、1978年6月25日にデビューしたバンドです。
記念すべき1stシングルは「勝手にシンドバッド」。
「勝手にシンドバッド」のサンバ的ノリもあり、デビュー当時は破茶滅茶なパフォーマンスでコミックバンド的な扱いを受けていましたが、デビューの翌年にリリースした「いとしのエリー」が大ヒット。
同年末には紅白歌合戦に初出場を果たします。
4つの年代でヒット曲に恵まれる
サザンオールスターズは、1970年代〜2010年代にかけての4つの年代でヒット曲を輩出しています。
- 1970年代
「いとしのエリー」
- 1980年代
「チャコの海岸物語」、「MISS BRAND-NEW DAY(ミス・ブランニュー・デイ)」、「Bye Bye My Love (U are the one)」
- 1990年代
「涙のキッス」「エロティカ・セブン」「あなただけを 〜Summer Heartbreak〜」「愛の言霊 〜Spiritual Message〜」(4曲全てミリオンセラー)
- 2000年代
「TSUNAMI」(ダブルミリオン)、「涙の海で抱かれたい 〜SEA OF LOVE〜」、「I AM YOUR SINGER」
- 2010年代
「ピースとハイライト」
「ピースとハイライト」の意味は?
前作から54thシングル「ピースとハイライト」発売までの経緯
まずは「ピースとハイライト」が発売されるまでのエピソードを簡単にですが説明しておきますね。
2008年に迎えた、デビュー
30周年という大きな節目の年の活動を最後に
無期限活動休止を発表してから、実に
5年ぶりの
活動再開第一弾シングルとなりました。
国民的
バンドの活動休止宣言は、当時はテレビのニュース番組でも大きく取り上げられ、日本中に衝撃をもたらしました。
解散を憶測する声も聞かれましたが、リーダーである桑田さん自身の口からは、自身のラジオ番組を通して「解散は絶対にない」との言葉。
充電期間として、活動休止中は
メンバーそれぞれが
ソロアーティストとして活動を行っていました。
その傍ら2010年には、桑田さんが食道がんとの闘病というショッキングなニュースも流れましたが、早期発見のおかげで転移はみられず手術も無事に成功。
病気も克服されたとの報告もあり、胸をなでおろす一幕もありました。
35周年は
8月
7日の「ピースとハイライト」のリリースを皮切りに、その
3日後から全国
ツアーをスタートさせています。
馴染み深いタバコの銘柄
第54弾シングル「ピースとハイライト」のタイトルですが、これは日本たばこ産業が発売しているタバコの銘柄からつけられているそうです。
昔からある馴染み深いタバコの銘柄ですが、ピースは桑田さんのお父さん、ハイライトは桑田さん自身がかつて吸っていたタバコなのだそうですよ。
また、ピースには「平和」、ハイライトには「もっと日のあたる場所」という意味が込められているそうです。
歌人であり劇作家である寺山修司さんのDVDを見てインスピレーションを得たと、桑田さんは語られています。
二度と戦争のない平和な世界を
「ピースとハイライト」の
歌詞を巡っては憶測が憶測を呼び、”政権批判だ”とか”反日だ”とか、桑田さんの
意図するものとは異なる解釈がされてしまうという事態に発展。
世間がざわつく中、その頃にあった一連の騒動について桑田さんは自身のラジオ番組で釈明することになります。
近年の東アジアの緊張状態はテレビや新聞などの報道で広く知られています。
それを受けて「二度と戦争が起きないように仲良くやっていこうよ」というメッセージが「ピースとハイライト」には込められていると強く説明されています。
歌詞について
何気なく見たニュースで、お隣の人が怒ってた。今までどんなに対話しても、それぞれの主張は変わらない
出典:
https://twitter.com/hanycafe/status/368016604203712512
教科書は現代史をやる前に時間切れ。そこが一番知りたいのに、何でそうなっちゃうの?
出典:
https://twitter.com/naoshiy/status/552278208662347776
希望の苗を植えていこうよ
地上に愛を育てようよ
未来に平和の花咲くまでは…憂鬱(Blue)
絵空事かな?お伽噺かな?
互いの幸せ願うことなど
出典:
https://twitter.com/budo_sas/status/928714426986913792
ここで言う”お隣の人”とは隣国のことですね。
それぞれ自分達の主張ばかりで、話し合いをしても、大きな衝突はないにしても友好に繋がる成果は特になし。
” 教科書は現代史をやる前に時間切れ。そこが一番知りたいのに、何でそうなっちゃうの? "
とは、古い歴史は授業中に時間をかけて学習するけれど、現代史に関してはあまり多く時間が取られていないといった感じでしょうか。
お互いの幸せを願い未来が平和になるよう、希望の苗を育てよう、愛を育てよう。
でもそんなことは、ただの理想に過ぎないのでしょうか…?