シンジュクディビジョン麻天狼、観音坂独歩とは?

ギャップが人気!?普段はしがないサラリーマン

ヒプノシスマイク-D.R.B-(観音坂独歩 CV:伊東健人)【チグリジア】歌詞の意味を徹底解説!の画像

大勢のファンを巻き込み、今やカルチャー界に一大旋風を巻き起こすヒプノシスマイク

今回ご紹介するのは、そんなヒプマイのシンジュクディビジョン「麻天狼」観音坂独歩楽曲です。

いつもは冴えないサラリーマンである彼は、非常にネガティブ思考の強いキャラクター

一方でラップバトルの際には普段の怯えた様子とは一転、勢いのあるパフォーマンスを繰り広げます。

そんなギャップから、非常に多くのファンに愛されている彼。

ラッパー・MC DOPPOでもある彼の楽曲【チグリジア】は、そんな彼の心の闇が吐露された1曲です。

実際の楽曲もチェックしてみて!

実際の歌詞をご覧いただく前に、まずは一度軽く楽曲を聴いてみましょう。

こちらは麻天狼によるシングルトレイラー映像。

彼の楽曲【チグリジア】が、非常に重く暗い雰囲気を纏った楽曲であることが伝わるかと思います。

観音坂独歩の所属するチーム、麻天狼を率いるリーダー神宮寺寂雷

彼の楽曲も非常に重く暗い雰囲気のある曲ですが、それとはまた少し違う性質の雰囲気ですね。

一言でいうなら彼の曲のテーマは、厭世観、というところでしょうか。

曲タイトルの【チグリジア】とは、別名タイガーリリーとも呼ばれる花です。

非常に個性的なルックスを持つこの花の花言葉は、「私を愛して」「私を助けて」

日々社畜として毎日をただただ生き、時にヒプノシスマイクを手にしてラップバトルに身を投じる。

そんな彼の楽曲に込められた願いや、彼という人物の本質は一体何なのか。

早速歌詞を通して、その秘密に迫っていきましょう。

なお、重複する歌詞については一部省略してご紹介したいと思います。

早速歌詞を見ていこう

都会の喧騒で病んだ心を持つ男

ヒプノシスマイク-D.R.B-(観音坂独歩 CV:伊東健人)【チグリジア】歌詞の意味を徹底解説!の画像

今日も世界に音が多すぎる 虫の交尾のように人が通るビル
お気に入りの静寂が死に続けている 歌はきっとそれを弔う為のディテール

マイクを持つ意味は知らない 無くたって意に介さない けれど意思は誘い
意義の無い言葉だけ洗いざらい吐いたって 肺に息は満たない

出典: チグリジア/作詞:弥之助(from AFRO PARKER) 作曲:Boy Genius(from AFRO PARKER)

観音坂独歩の普段の姿は、ブラック企業でパワハラ三昧の中、社畜として働く営業マン

また彼は元々ひどくネガティブ悲観的で、小さなことですぐ自己嫌悪に陥る暗い性格でもあります。

このような人柄が災いし、友人と呼べる存在も非常に少ないとのこと。

そんな彼にとって、都会の騒々しい雰囲気は非常に苦痛を感じるものなのでしょう。

目の前を行き交う人々は、彼にとっては蠢くたくさんの羽虫にしか見えません。

ギラギラと光を放つ電飾も賑やかな街頭のBGMも、彼にとっては鬱陶しい騒音でしかありません。

単調な日々の繰り返しの中で、すっかり消耗しきってしまっている彼。

物音1つ聴こえない、自分以外の何者も存在しない。そんな無の空間への逃亡

それこそが、この世界に疲れ果てた彼の唯一の願いなのです。

紆余曲折あり、ヒプノシスマイクでの戦いに身を投じることになった彼。

しかし彼の病んだ心は、その戦いをもってしても晴れるわけではないのでしょう。

絶望する彼の救いとなるものとは

ヒプノシスマイク-D.R.B-(観音坂独歩 CV:伊東健人)【チグリジア】歌詞の意味を徹底解説!の画像

小さな窓に映り込んだ逆さの頭と 高さを競って絡まろうとする朝顔
その若葉の儚さを照らす光や 物言わぬ土塊は美しい気がした

芽は花や実になり 朽ち果て 口は手の代わり 目と鼻と耳を塞いだ
身を預けるような場所は捨てるよ 俺は1人でも歩けるよ

出典: チグリジア/作詞:弥之助(from AFRO PARKER) 作曲:Boy Genius(from AFRO PARKER)

コンクリートビルが立ち並び、羽虫のように日々人々が忙しなく蠢く街、シンジュク。

その無機質で色彩のない景色の中にも、時には輝きを放つ小さな光景が転がっているのです。

電車の窓に映る親に抱かれた無防備な幼い子どもの可愛らしい頭や、天に向かってツルを伸ばす朝顔。

生命の息吹や未来を感じさせる光景は、世界に絶望した彼にはとても美しいものに見えたのでしょう。

ですが、その美しさは一過性のもの。

いつかは全て終わりを迎えるということもまた、観音坂独歩は知っているのです。

なぜならば、彼自身が誰よりもその事象に救われているからではないでしょうか。

美しいものにも自分のような醜いものにも、いつか必ず終わりが来る。

彼にとってそれは、この上ない救いであることもまたきっと事実なのです。

その終わりを待ち詫びる中で、それでもこの苦しみや辛さを考えずに済む瞬間があるのなら

彼がヒプノシスマイクを握り戦いに挑むのは、そのような思惑ももしかしたらあるのかもしれません。

終わりが来る時を待ち侘びているだけ

ヒプノシスマイク-D.R.B-(観音坂独歩 CV:伊東健人)【チグリジア】歌詞の意味を徹底解説!の画像

必要ないほどドラマティックなLIFE 却って煩わしい
期待も別にないよ 眠りたいだけ Ah
執拗な子供騙しがLIFE すべて誤魔化しなら
生きがいも別にないよ 眠りたいだけ Ah

出典: チグリジア/作詞:弥之助(from AFRO PARKER) 作曲:Boy Genius(from AFRO PARKER)

心揺さぶられるような感動もなく、ただ淡々と目の前の時間を消費していく代わり映えのない毎日

そんな彼の毎日を、つまらないと思う人も多いことでしょう。

しかし彼はそれでいいのです。自分の生活に起こるイベントなどは、彼にとっては鬱陶しいだけ

自分の人生に、彼は希望も期待も抱いてはいません。なぜなら、いつか全て終わってしまうのだから。

むしろ彼はどこか、その終わりを待ち侘びているようにすら思いますね。