ながい渡り廊下 神様はもうNOWHERE
七色の傘 聞えた言葉
「ここにいてもいいから」
出典: 少年少女/作詞:峯田和伸 作曲:峯田和伸
毎日通っている学校のいつもの風景が浮かんできます。
いままでは何も考えずにただ毎日通り過ぎるだけでした。
ところが好きな人がいるというだけでその場所が特別に感じられるようになるのです。
「七色の傘」はアーチ状にかかった虹を意味しているのでしょう。
特別な場所にかかる虹はまるでそこに神様がいるような気さえしてくるのです。
神様はその虹で優しく少年を包み込み、優しく囁く様子が読み取れます。
青春時代の感情はいつだって不安定で崩れやすいものです。
思春期の少年にとって“居場所”が確立するということはこの上なく安心出来ることでしょう。
まだまだ青い
意味さえ分からず
だいすきはだいきらいだよ
出典: 少年少女/作詞:峯田和伸 作曲:峯田和伸
まだまだ若い少年は“好き”がどういうものかもちゃんと理解していません。
ただドキドキするという感情だけで動けてしまう若さと勢いを持っています。
真逆の2つの言葉は実はいつも隣り合わせで自分たちをグルグル包み込みんでいるのです。
そんなことは少しも考えずにただ気持ちの赴くままに突っ走ってしまうのでしょう。
それが全てとなる
愛の意味も知らずに
夕日あびた世界のはじっこで
手と手をつないだ
出典: 少年少女/作詞:峯田和伸 作曲:峯田和伸
まさに“青春の1ページ”という様子が読み取れるでしょう。
まだ“愛”がどういうものかもよく分かっていません。
全てその時の感情と勢いが少年を突き動かしているからです。
思春期の頃は夕焼けがなんとなくロマンチックなものに見えてきます。
夕日に照らされる放課後、教室のベランダで2人だけでこっそり会っているのでしょう。
夕日の眩しさから好きな子以外の視界がぼやけてきます。
するとまるでこの世界に自分たち2人だけしか居なくなったような錯覚に陥るのです。
青くて甘酸っぱい青春時代の様子が思い起こされるような描写になっています。
自分の全てとなる
ようやく出会えた光
2000光年の列車で
悲しみをこえたなら
少年は少女に出逢う
出典: 少年少女/作詞:峯田和伸 作曲:峯田和伸
2000光年とは一体どれくらいなのでしょうか。
「光年」とは宇宙の距離を測る単位のこと。
1光年は約9兆6000億kmだとされています。
桁が大きすぎてなんのことだかさっぱり分かりませんね。
ちなみに地球から太陽までの距離は8光年とされています。
2000光年はもはや“無限”と言ってしまってもいいのではないでしょうか。
その“無限”とも思えるほど長い間、少年は自分の殻に閉じこもっていたのです。
嫌になるようなことばかり起こる抜け出せない苦しみに1人ずっともがいていたのでしょう。
そんな自分に、ある日一筋の光が差し込むのです。
その光こそが「少女」だったのでしょう。
光で道を照らしてくれたからこそ少年は深い悲しみから抜け出すことができました。
そんな少女に少年は惹かれずにはいられません。
全部が輝いてみえる
きれいなひとりぼっちたち
善と悪ぜんぶ持って
少年は少女に出逢う
出典: 少年少女/作詞:峯田和伸 作曲:峯田和伸
青春を生きる少年時代は大人になって振り返ってみれば全てが眩しくみえるものです。
その時その時の感情にとても素直で敏感で、恥ずかしくなってしまうような記憶もあるでしょう。
けれども嫉妬するほど毎日がキラキラと輝いていたのです。
それは1人1人みんな同じで例外はありません。
“愛”が何かも分からない、何が“善”とされるかも判断できません。
そんな不器用で青い自分だったからこそあの子に出逢うことができた。
不完全な自分だからあの子に惹かれて恋をしたということが読み取れます。