遠い過去の「君」が頭から離れない、過去に囚われてしまう悲しさと、そこにある忘れがたい幸せが、美しいからこそ胸を締め付ける曲です。

思い出を消し去ることんど出来る筈ないのに
遠くなるよ その手 君との幸せ
追いかけるほど見えなくなる

出典: 誰もいない台所/作詞:高橋優 作曲:高橋優

過去の幸せや大切な人の面影を追いかければ追いかけるほど、どんどん遠くなって見えなくなってしまう…。思い出に浸っていたところから、急に現実に引き戻されるような切なさがあります。

2位:CAYDY

この曲は、3枚目のアルバム「BREAK MY SILENCE」に収録されています。曲名だけ見ると、カラフルで楽しく、可愛らしいイメージを持つかも知れませんが、かなり重いテーマを歌っています。

それは晴れた昼下がりのありふれた出来事
図工の授業で風景画を描いていたときの出来事
「この色キャンディみたいだね」と誰かが笑った
「ほんとだ、絵の具じゃないみたいだね」と別の誰かも笑った

その筆は僕の口元に差し出され
「ほら舐めてみろよ」と女は笑った
抗うよりも応じる方が痛くされないと
僕は知ってた 僕は知ってた

出典: CANDY/作詞:高橋優 作曲:高橋優

子供時代に教室や校庭の片隅で起こっていたかも知れない状況。誰もが目にしたことはあるかも知れない、イジメです。

さらに、この楽曲高橋優さん自身の体験を歌っているというところも衝撃的です。

高橋優さん曰く、この歌に書かれていることは一部にすぎないようですが、実体験を、しかもイジメの体験を曲にするまでには、やはり時間がかかったようですね。

「CANDY」が収録された「BREAK MY SILENCE」には、『沈黙を破る』というようなテーマがあったため、これまで封印してきたことも歌った、ということでした。

実体験だからこそ、胸に迫るものがありますよね。涙なくしては聴けない楽曲です。

それは雨が降り出した夕暮れ時の出来事
下校中大切にしていた傘を開いたときの出来事
雨の日も楽しめるようにと母が買ってくれた
大好きなキャラクターが大きくプリントされた傘

木の枝で叩かれていくつも穴があいてた
「この方がお前によく似合う」と笑われた
それ以上傷つけられるのを見ていたくなくて
僕も笑った 僕も笑った

出典: CANDY/作詞:高橋優 作曲:高橋優

特に2番では、何も知らない母親が、子供のことを思って買ってくれた大切な傘を壊されるとう、胸が締め付けられるような光景に涙が止まりません。

それでもなお、怒りに飲まれることなく生きていく姿が印象的です。

強かに生きていこうと誓った
これは繰り返さぬための歌
追いつめ奪うのが正義なら 僕は世界でも敵に回そう
愛はどんな味でしょうか?
友情はどんな形でしょうか?
毎日のように差し出されたキャンディの味を僕は忘れない

出典: CANDY/作詞:高橋優 作曲:高橋優

イジメに屈することなく、心だけは守り続けてきたこと、同じ過ちを犯さないという強い決意を感じる、力強い歌でもあります。

二度と忘れない苦い味でも、それをバネにして生きていくことができる、今まさにイジメに遭っている人にとっても勇気を与えてくれる歌ではないでしょうか。

1位:こどものうた

「こどものうた」はインディーズ時代のシングル曲です。こちらも曲名の可愛らしいイメージに反して、かなり過激な内容になっています。

チラリとのぞくパンツの色が気になって仕方ない
紺色のスカートなびかせつつ颯爽と歩く 乙女心に罪は無い
その後方7段下を歩くハゲおやじのケータイ
200件以上におよぶ生JKのエロ画像 それを何に使うんですか先生?

出典: こどものうた/作詞:高橋優 作曲:高橋優

母:「いくらあやしても泣き止まないからブン殴ってみたの、
やっと静かになってくれたからパチンコに出掛けたの、
愛しい人が待ってたの」
子:「体中アザだらけだけどママの仕業とは言えない、
今日も一人きり何もない部屋でいい子にしています、
ママの言いつけに縛られて」

出典: こどものうた/作詞:高橋優 作曲:高橋優

セクハラや盗撮など、女性が脅かされる性的苦痛を1番で、2番では子供が母親から受ける虐待を歌っています。

社会で現実に起きている問題について、高橋優さんらしい目線で切り込み、激しい怒りと共に歌い上げているのが印象的な歌です。

子:「殺せよどうせなら その愛人と 僕を生ゴミみたいにして

出典: こどものうた/作詞:高橋優 作曲:高橋優

という歌詞からは、親から見捨てられた子供の悲痛な叫びが聞こえてくるようです。