『眼鏡越しの空』をピックアップ!
日常の何気ない思いの数々を拾い集めて歌にするDREAMS COME TRUE。
今回ご紹介する『眼鏡越しの空』もまた、誰もが抱いたことのある「憧れ」という感情を流れるように歌った曲です。
言葉数が多いのに胸に届く歌詞
今置かれている状況を細かく説明するような歌詞で、言葉数が比較的多いように感じます。
言葉を把握するだけで精一杯になってしまいそうなのに、なぜか胸に届く!
それは吉田美和という稀有のボーカリストの才能なのでしょう。
さて、この曲ではどのような「憧れ」が歌われているのでしょうか。
『眼鏡越しの空』の歌詞の意味を紐解きます!
追いつきたいからこそ憧れる
人は、自分にないものを持っている誰かを見たとき、憧れか嫉妬の感情を抱きます。
この曲の主人公は前者の感情を抱きました。
そこには「いつか手が届くといい」という希望を感じます。
眼鏡が役立つときが来た!
大嫌いだった眼鏡外せない この何日も
気を隠すにも ちゃんと見るにも 都合がいい
出典: 眼鏡越しの空/作詞:吉田美和 作曲:吉田美和
普段はコンタクトレンズ派なのでしょうか。
もしくは、そこまで目が悪くないからといって裸眼で過ごしているのか。
普段から眼鏡派であれば、わざわざ「外せない」とは歌わないはずです。
では、なぜ眼鏡が大嫌いだったのでしょうか。
眼鏡が似合わないと言われたことがあるのかもしれませんね。
見た目の印象が変わりますから、本当の自分とは違うイメージを持たれるのが嫌だという可能性もあります。
だからこれまではコンタクトで過ごしていたか、あるいは必要なときだけ眼鏡をかけていたのでしょう。
目は口ほどに物を言うという言葉がある通り、瞳の動きはその人の感情を映すのはよくあること。
眼鏡のレンズの周りには縁がありますから、そこに瞳が隠れてしまうと感情が読みにくくなります。
彼女は「あなた」に感情が悟られないように眼鏡の縁をうまく利用しているようです。
普段裸眼で生活しているのであれば、眼鏡をかけることでいつもよりしっかりと「あなた」の姿が確認できます。
「何日も」外さないということは、毎日誰かを見つめることが日課になっているのでしょう。
いつか手が届くのだろうか
あなたの夢を見た朝 なぜか少し泣けた
さえない私を思ったら 少し泣けた
出典: 眼鏡越しの空/作詞:吉田美和 作曲:吉田美和
「あなた」と彼女は同じ学校の生徒、同じ会社の社員など、比較的近い距離にいるのかもしれません。
年齢的にもさほど離れているわけではなく、似たような環境にいるのだと推測できます。
近いからこそ比較しやすく、相手よりも自分の方がパッとしないということを実感してしまいます。
現実でも例え夢の中でも、二人の間には何らかの差があります。
憧れるばかりで追いつける気がしない現状が彼女の心を押し潰していくようです。
見えるのはいつだって後ろ姿
憧れる相手は、どこからどう見ても完璧なようです。
文字も綺麗なのですから、その下に自分の名前を書くのをためらってしまいますね。
決して振り向かない
短い髪 しゃんとした後ろ姿 思い出すたび
あなたのようになれたらと憧れる
出典: 眼鏡越しの空/作詞:吉田美和 作曲:吉田美和