Mr.Childrenの「hypnosis」とは?
「hypnosis」ー受験生の方でもあまり聞き慣れない英単語ではないでしょうか?読み方は【hip'nōsis:】(ヒプノシス)、日本語の意味は『催眠』であります。どちらかというと医学とか心理学でおなじみの単語の様です。
ミスチルの「hypnosis」は2012年7月、4作目の配信限定シングルとしてリリースされました。その後同年11月に発売された17thアルバム「(an imitation )blood orange」のトップも飾っています。
甘くせつなく、そしてドラマチックな典型的ミスチルバラード作品であり、同年7月期に日本テレビ系列で放映された水曜ドラマ「トッカンー特別国税徴収官ー」の主題歌としても使われました。
「hypnosis」の歌詞の意味を紐解く
誰もが感じる、当たり前の想い
ミスチルが2018年5月現在、発表した37枚のCDシングルの内、20枚が英語タイトル含みですがこれは95年5月にリリースされた「es~them of es~」以来の、ちょっと難しいタイトル。
ミスチルの曲って、聴く人によってその歌詞の意味のとらえ方が様々な傾向がある様な気がしますけれど、ざっくり読んだ感じでは、この曲はわりと「直球勝負」って感じがします。
では歌詞の内容に迫ります。
揺れ動く想いが風に吹かれて
群青色の夕闇に溶け
迷いを消してくれるなら
すべてが想い通りにならぬことくらいは
知っているつもり でもすんなり
受け入れられもしないから
出典: 「hypnosis」作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
さて、いきなり来ましたね。ピアノとストリングスの調べに彩られたイントロに続き、桜井さんお得意の情景描写。
「群青色の夕闇」って、やっぱり梅雨空ですかね?
「すべてが想い通りにならぬことくらいは」何を悩んでいるのでしょうかね?主人公は。恋?仕事?人間関係?
すんなり受け入れられないのは、人間ですから、やっぱり当然のことなのでしょう。
不安に追いつかれないよう
願いを今、遠くへ遠くへと
出典: 「hypnosis」作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
主人公は、ちっぽけかもしれないけれど「淡い希望」を心に抱いているようです。それでも不安はそれを奪い去ろうと追いすがって来ます。
その淡い希望が無くならないように「遠くへ遠くへ」持って行きたい。まあ、人間としてこれも当たり前の想いでしょうね。
現実から、夢を遠ざけて
今日も見果てぬ夢が
僕をまた弄んで
暗いトンネルの向こうに光をチラつかす
叶うならこのまま 夢のまんま
もう現実から 見捨てられても
構わないさ
出典: 「hypnosis」作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
主人公が抱いている夢っていうのは、多少自分には持て余す夢なのでしょうか?
「弄ばれている」って感覚を主人公は抱いているようです。それが「暗いトンネル」すなわちそれは主人公を苦しめる、ゆううつな日常のことなのでしょうか?
主人公を誘惑するかの如く、光を放ち、誘おうとする。
それでも、その叶うかどうか定かでない夢を持ち続けている限りは、現実から見捨てられても構わない、と。
少し女々しい?いや、そんなことはないでしょう。それも当たり前のことです。
制御出来ない自我、そして暗い感覚、それでも...
そして、コントロールが効かない自我は、いよいよ主人公に牙をむいて威嚇を始めます。
自分に潜んでいた狂気が首をもたげて
牙を剥き出し 遠吠えをあげる
もう手懐けられはしないだろう
国道に弓張り月
消えそうな細く尊い煌き
出典: 「hypnosis」作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
「弓張り付き」これは「半月」のことです。多少文学的な表現。それに向かって自らの感情、心の中のオオカミと言って良いでしょうか?
それは遠吠えをして、牙を剥きます。もはや、その勢いは制御不可能です。
オブラートに包んで
何度も飲み込んだ悔しさが
今歯軋りをしながら僕を突き動かす
新しい何かに出会えるかな
今終わらぬ夢のその先に
僕は手を伸ばす
出典: 「hypnosis」作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿