ここで初めて「僕」以外の存在が出てきます。
「君」とは一体「僕」にとってどんな存在なのでしょうか。
忘れられない相手ということから、大切に想っていた相手だということは読み取れます。
何事にも否定的になってしまうのはきっと自分に自信がないからでしょう。
弱くて頼りなくて才能もない、何をしても上手くいかず「自分なんて」が口癖。
しかし「君」は「僕」に“いまの状態のままではダメなんだ”と思わせてくれるのでしょう。
「君」の存在が諦めずに顔を上げる勇気をくれているようです。
希望を探している
失い続ける先にも
未だ見たい景色はあるのか?
出典: 白夜/作詞:Reol 作曲:Reol
今はまだ「僕」には力が全然ないようです。
そのため手に入れるものより失ってしまうものの数の方がうんと多いのでしょう。
悲観してしまうのは己の弱さに対してなのかもしれません。
そんな「僕」にも“見たい景色”があるようです。
2行目の文章から、「僕」は未来に希望があることを期待している様子が読み取れます。
未来を信じていたい
孤独な日々
痛みさえ白い夜に 僕たちは白を越え
叶わない願いなのかもしれない
それでも僕が祈るのは
出典: 白夜/作詞:Reol 作曲:Reol
白夜の中ではすべての感覚がまっさらになってしまうのかもしれません。
痛みさえ感じられない世界では、自他問わず傷付けることに抵抗がなくなってしまいます。
悲しい・苦しいといった感情がなくなってしまえばここから抜け出そうとも思わなくなってしまうでしょう。
それでも「僕」には忘れることのできない大切な「君」という存在がいます。
迷いや不安のすべてを解消することは簡単なことではないでしょう。
それでも未来に希望があるというだけで、少し前向きな気持ちにもなれるようです。
「まだやり直せる」そう思えるだけで悲観的になっている気持ちが少し晴れるように感じられます。
きっと抜け出せる日が来る
生きるほど黒くなり 僕たちは白を行く
孤独を抱いた 傷も隠した
会いたいよ いつか白い夜の向こうへ
出典: 白夜/作詞:Reol 作曲:Reol
生きている時間が長いほど人は知恵を付けていきます。
その中で良くも悪くも嘘を吐いたり、子供のように純粋に気持ちをごまかさずに生きることは難しいでしょう。
“汚れている”わけではなくとも確実にまっさらな自分ではなくなっていきます。
その状態を“黒”と例えているようです。
不安定で先が見えず、すべての事が上手くいかないと感じてしまう日々もあるでしょう。
しかし、この日々の先にはきっと心から笑える日が来ることを信じています。
「君」に再び出会うためにこの白夜を越えていきたいと思っているようです。
出口を探して
芯を通す強さ
不本意なYes 不条理は全部その声で覆せ
難だらけでも強くなれる 弱さあわせ飲み込んで
あの日の僕のノスタルジア 大切だから食い違ったんだ
チグハグ脈打ついつも 四苦八苦譲れない理由を
出典: 白夜/作詞:Reol 作曲:Reol
大人になるにつれ自分の気持ちをごまかす機会は増えていきます。
浮かないようにはみ出さないように“周りに合わせる”ことで調和していく。
事を荒立てることなく無難に着実にこなす日々をみんなが暗黙の中で過ごしているのです。
その中でもどうしても自分の中で譲れないものがあったのでしょう。
みんなと違うことは分かっていても、自分に嘘を吐けない部分。
これだけは大切にしたいという想いがあったように窺えます。
止まっていられない
undo to undo to あと幾つ越えたら交わる
redo to redo to 踏み鳴らすわ美化した昨日の上
止まるなよ スロウでも
まだ此処じゃないから願う
出典: 白夜/作詞:Reol 作曲:Reol
周りに合わせることがすべてだと思っていた自分がいました。
ずっと自分の気持ちを封印していたために、苦しくてもがいていたのでしょう。
しかし全部を周りに合わせる必要はありません。譲れない部分を持っていてもいいのです。
そのことに気付けたとき少し目の前の視界が開けたように感じられます。
ゆっくりでもいい。
進んでいけば必ずこの日々を抜け出すことができるはずです。
まだ此処はゴールではないと、強い気持ちを持って歩む姿が読み取れます。