夜と光
映像を見ていると「夜と光」を連想させるものがところどころ出てきます。
- スクリーンに映し出された月の絵
- 窓から夜景を眺める姿
- ナイトランプから外した電球
- 街のイルミネーション
これはまさに「MOON」というタイトルを表したようなもの。
夜に浮かぶ月をイメージして作られているのでしょうね。
特に印象に残るのはシーツを回収するカートに乗ってイルミネーションの中を行くシーン。
ここでもホテルならではの要素が出てきましたね。
主演の女性のうつろな表情も楽曲の風合いによく合っていますね。
羽毛を散らしながらくるくると回る場面からは、少女のような無邪気さも垣間見えます。
出演してる女の子は誰?
MVをご覧いただきましたが、主演の女性の雰囲気が映像の柔らかいイメージを際立たせていると思いませんか?
見ている最中も彼女が誰なのか気になっていた方も多いのではないでしょうか。
実は彼女、「MOON」のジャケットにも写っているんです。
これは注目しないわけにはいきませんね!
マイヘアやKANA-BOONの作品にも
この女性は武居詩織というモデルさん。
苗字は「たけい」ではなく「たけすえ」と読みます。
珍しい読み方ですね!
彼女は「MOON」だけではなく、My Hair Is BadやKANA-BOONなど様々なアーティストのMVに出演しています。
現在のロックシーンを引っ張て行くようなバンドの作品ばかりですね。
彼女の醸し出す雰囲気が今の流行によく合っているのでしょう。
クリエーターのような一面も
武居さんがMVの主演に選ばれるのは、その気質も関係しているのではないでしょうか。
「有名になりたいというよりも、それぞれの現場で出会った人たちと一緒に良いものを作っていきたい」
このようなことを彼女は語っています。
これはモデルというよりもクリエーターのような考え方ですね。
その姿勢が魅力的な表現を生み出しているのはもちろん、これはアーティストからの共感も得るものでしょう。
また彼女自身も音楽には思い入れがあるようですよ。
ピアノの先生をやっているお母さんの影響で、幼少期から音楽に囲まれる生活を送ってきたという彼女。
名立たるアーティストのMVへの起用は、彼女としても冥利に尽きるものではないでしょうか。
幸せなのに陰りの見える歌詞を解説
続いては「MOON」の歌詞を解説していきましょう。
「MOON」で描かれているのは「多幸感」ですが、ただただハッピーという内容でもなさそうです。
そう、歌詞の中には陰りのある部分も見え隠れしています。
影あってこその光とはよく言ったもの。
陰りの部分が幸せな部分をより味わいのあるものにしているように感じますよ。
空を見上げるのは
不安が押し寄せても眠れるように
ここから空を見上げて歌うのさ
何度も確かめあってまた不安になる
いつしか君のカタチも忘れてしまうの
出典: MOON/作詞:高橋海 作曲:高橋海
何度「愛している」と確かめ合ったって、離れている時間が不安にさせることはあります。
それは相手が好きなら仕方がないことでしょう。
想いが強いほど相手の気持ちが離れてしまうことを想像すると怖くなってしまいます。
「離れていても同じ空を見ている」
月並みの言葉ですが、心強く感じることもあるもの。
主人公はそんなことを思いながら空を見上げていたのではないでしょうか。
昼と夜の狭間
街の灯りがひとつ消えれば星が顔を出す
甘くとろけるような一時を刻んで
願いをかけるよ
出典: MOON/作詞:高橋海 作曲:高橋海
そしてここでは空が暗くなっていく様子が描かれます。
昼と夜の狭間とでも言いましょうか。
日が沈む瞬間というのはいつ見ても綺麗なものですね。
「彼女もこの瞬間をきっと感じている」
主人公はきっとそんなことを思いながら、彼女に会いたいと願っていたのではないでしょうか。