愛したいのに…

「愛し方なんてわからないんだ」って
あたしの言葉は伝うでしょうか
振り返ることは出来ないな、ただ唄い続けるだけ

出典: SLEEPWALK/作詞:wowaka 作曲:wowaka

先ほどは「愛されること」を望みましたが、ここでは逆の「愛すること」について歌っています。

主人公は「愛し方」が分からなくて嘆いているよう。

恐らく愛された経験がないから、どうやって愛するのかも分からないのではないでしょうか?

そんな自分の状況を相手に伝えようとするも、理解してもらえた手ごたえがない…。

モヤモヤした気持ちを共感しあうことは叶わず、一人歌を口ずさんで孤独に浸っています。

叫んでも助けは来ない

孤独感

「ねえ神様、視界はどうだい」夜を虚附く彼女は言うよ
「なぜあなたの目に映るあたしの横に誰もいない?いない?」

出典: SLEEPWALK/作詞:wowaka 作曲:wowaka

MVの「目隠し」とリンクする「視界」という言葉が出てきました。

神様に客観的にどう見えるのか問いかけているのでしょうか?

主人公の隣には「誰も」いないようです。

このフレーズからは孤独感が伝わってきます。

本当は誰か側にいてほしい…。

背景にそんな願いが感じ取れる気がします。

SOSは届かない

SOS 鳴らしているんだ
もうそろそろ気付いてくれよ
今日もまたアスファルトのグレー照らすだけだね

出典: SLEEPWALK/作詞:wowaka 作曲:wowaka

主人公の精神状態は限界に達しているようです。

これがMVでのダンスが表現していた心情なのでしょう。

淡々と冷静に語っているけど、心の中はとても騒がしくて爆発寸前。

心が発している「SOS信号」のサイレンの灯り…。

それが、ただただアスファルトを照らすだけで、誰にも気付かれることなく終わっていく描写がされています。

思うままに生きること

放蕩しようぜ
徘徊しようぜ
正解なんて誰一人知らない
「愛してみようぜ」
「失ってみようぜ」
あたしの思うまま、逃げ出してみようぜ

出典: SLEEPWALK/作詞:wowaka 作曲:wowaka

「放蕩(ほうとう)」とは思うままに振る舞うこと。

お酒に溺れたり、女遊びをしたり、浮ついた意味合いで使われます。

そして「徘徊(はいかい)」はあてもなくウロウロと歩き回ること。

「みっともない姿も思い切ってさらしてしまえばいい」

そんな投げかけのように感じます。

失敗が怖いから、愛そうとすらできていなかったのかもしれません。

失敗して失うことを恐れて回避していたのかもしれません。

恐れることなく思うままに行動してみる。

それを促すのがこの楽曲の趣旨なのでしょう。

叫び続けるも…

探してくれって何度叫んだって
あたしの言葉は届かないや
振り回されてばかりだなぁ
この世界、世界にさ

出典: SLEEPWALK/作詞:wowaka 作曲:wowaka

ここでも誰かの助けを求めています。

でも、どれだけ叫んだって自分の声が誰かに届くことはない…。

孤独を感じる表現が続きますね。

突きつけられる不条理に、再度失望しています。

「振り回される」という表現にも注目してみましょう。

「他人」に物事の判断基準を委ねて、自分の意思が無くなっている印象は受けませんか?

誰かが自分の願いを叶えてくれることを望んでいる…。

そんな受け身な姿勢が読み取れ、これがこの楽曲の重要なテーマであると感じます。

「痛み」の先に見つけたのは